初心者、小額で不動産投資 リート(REIT)
小額で不動産投資が出来るリート(REIT)について説明します。
私も以前はJ-REITを保有し、2か月に一回分配金(家賃収入)を得ていました。
持っている時は2ヶ月に一回分配金を得ましたし、売却時には15%ほどの売却益(キャピタルゲイン)を得ました。
私は現在リートに投資はしていません。理由は最後に書きます。
リートはこう言う方にお勧め
- 不動産収入が欲しい。
- 20万円しかお金がない。
- 騙されるか不安
- 物件を見る自信がない
- 物件を複数買いたいけどお金がない
- 不動産購入は手続きが大変だけどやってみたい
- 売りたいときに直ぐに売りたい
素人にとって不動産投資の難しい点
不動産投資と言うと最低でも500万円とか1,000万円の資金が必要なイメージがあると思います。
会社員やOLであれば500万円の資金を基に銀行でローンを組んで不動産投資が可能です。
但し、良く分からない物件に借金をして投資するのはかなりのリスクがあります。
雑誌やネットで個人の不動産投資で成功している人が多く出ていますが、彼らは成功した人たちであって、表に出ていない失敗して自己破産している人も多くいます。
最近の例ではレオパレスやかぼちゃの馬車のように、知識がない会社員が騙されて、無理をして借金をし、割高な物件を買ってしまっています。
借金をして1億円とかの物件を騙されて買ってしまったら、自己破産するしかないと思います。
復活するはほぼ無理になります。
なぜ不動産で失敗する人がいるのか
不動産は取引価格が明確でない
不動産価格は株式などのように価格が明確に見えないので、自分が投資をする際に、本当に価格が妥当なのか分かりません。
売る時も同じで、幾らで売ったら良いのか良く分からないです。
また建物や内装を見て、素人にはその建物に問題があるのかどうかも分かりません。
そうなると不動産の会社の言いなりになって買ってしまいがちです。
不動産に資産が集中してしまう
不動産は値段が高いので、普通の会社員やOLにとって一戸建ての家を何戸も、マンションと何棟も買えるものではありません。
マンション1室や戸建て一戸と言う風になると思います。
仮に4,000万円の不動産を買った場合、普通の会社員やOLにとっては、その不動産は資産の大部分を占めることになります。
日本は地震が多いので不動産1つの不動産だけに投資して、地震で崩壊したら一発アウトになってしまいます。
だからと言って、色んな場所に何軒も買えるような価格の物ではありません。
不動産は維持費がかかる
不動産を買うと購入時の手続きや日頃のメンテナンス、貸す場合も色んなやり取りと費用が発生します。
他にも固定資産税が発生します。
ワンルームマンション投資をして毎月家賃収入を得るつもりが、毎月不動産の維持のために毎月支払わなければならなくなったら、何をしてるか分かりません。
貸したいけど、空き家になってしまう
日本は少子高齢化で人口は減っています。
総務省の2013年の調査によると日本の空き家率は13.5%になっています。
山梨県は17.2%です。
東京や地方都市でも中心地は良いかもしれませんが、日本の地方で賃貸業をするのはかなり厳しいと思います。
売りたいけど、誰も買ってくれない(流動性リスク)
不動産投資で一番重要なのが、最後に売って出口を出ることです。
いくら家賃収入を得ていても、最後に上手く売れないと、それまでの利益が無くなってしまいます。
売りたいけど売れない事例
私の知人は日本のある地方にアパート一棟を持っています。
聞くところによると、15年ほど前に3,000万円で購入し、満室であれば、毎年家賃が300万円ちょっと入ってきています。
既に投資の資金は家賃収入で回収しています。ただ現在は空室が増えてきて、家賃収入は年間150万円まで落ちています。
維持費が結構かかっていて、150万円がそのまま手元に残らないようです。
彼女はこのアパートを手放したいようですが、誰も買い手が無いようです。
手続きや税金を負担してくれる人が居るなら、無償で引き渡したいと言っています。
それでも地元の不動産会社からは未だ買い手が見つかってないと言われています。
不動産会社も安い物件を本気で売る気がなく、真剣に買い手を探してないのかも知れません
このアパートを仮に300万円を払って引き取って、修理して貸すとしても、幾ら修理がかかるか、入居者が居るか全く見えません。
時々ボロ物件専門の個人不動産投資家の方が居ます。
彼らはボロ物件を再生させるプロであって、普通の素人がボロ物件を買って修復して、利益を得ると言うのはかなり難しいと思います。
リート(REIT)なら小額で、明確な価格で、いつでも売買可能、手続きも必要ない
リートとはどんな仕組みなのか説明するための例を考えてみました。
例
私が駅前の雑居ビルが3,600万円で売りに出されているのを知りました。
このビルを買えば毎月30万円の家賃収入が見込める、それに5年後に駅前が再開発されるので、7,200万円で売れると考えます。
儲けるチャンスです。
ただし、私は現在1,200万円しか資金を出せません。
そこで友達に話をし、友達Aさんが600万円、Bさんが1,200万円、Cさんが600万円を出して共同で買う事にしました。
みんながそれぞれお金を出した証明として、それぞれが株券を持つことにしました。
株券には「駅前ビル出資証明書1株」と書かれています。
1株600万円としました。
それぞれの株数
私の株数:1,200万÷600万円=2株
Aさんの株数:600万円÷600万円=1株
Bさんの株数:1,200万円÷600万円=2株
Cさんの株数:600万円÷600万円=1株
となります。
家賃は毎月30万円入ってきますので、この家賃は出資した金額に応じて、4人で分けることにします。
私の家賃収入:30万円X1,200万円÷3,600万円=10万円
Aさんの家賃収入:30万円X600万円÷3,600万円=5万円
Bさんの家賃収入:30万円X1,200万円÷3,600万円=10万円
Cさんの家賃収入:30万円X600万円÷3,600万円=5万円
となります。
私たちはこの調子で3年間ビルを保有して家賃を得ていました。
しかし私たちの投資話を聞きいたXさんが、自分も投資したいと言いました。
ちょうど、Bさんが別の投資をしたくなったので、BさんはXさんに持ち株1株を700万円で売る事にしました。
もともとBさんは600万を投資していましたが、2年後には駅前の再開発が迫っているので、Xさんも700万円で納得しました。
それから2年後、私たちは想定通りに7,200万円でビルを売却しました。
7,200万円は出資金額に応じた額を受け取りました。
私の受取額:7,200万円X2株÷総株数6株=2,400万円
Aさんの受取額:7,200万円X1株÷総株数6株=1,200万円
Xさんの受取額:7,200万円X1株÷総株数6株=1,200万円
Cさんの受取額:7,200万円X2株÷総株数6株=2,400万円
私は5年前に1,200万円を投資し、1,200万円の最終売却利益と毎月の家賃収入10万円X60か月=600万円の利益を得ました。
途中から投資に加わったXさんは売却益として800万円-700万円=100万円を儲けました。
ざっくりですが、このような仕組みがリートです。
リート(REIT)は正式には、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)と言います。
上記の例の場合は、当初の投資家4人とXさん1名の限られた人たちでのやり取りです。
東京証券取引所には株式と同じように、色んなリートが上場されていて、株価と同じようにリートの価格が瞬時変動しています。
日本のリート
現在日本では東京証券取引所に61銘柄のリートが上場されています。
株式と同様に価格が明確で、いつでも売買することが出来ます。
リートと言っても色んな種類
賃貸住宅へ投資
オフィスビルへ投資
商業施設へ投資
駐車場へ投資
ホテルへ投資
老人ホームなどのシニア向け施設へ投資
倉庫などの物流施設へ投資
皆さんの馴染みのあるリートの例としては、
森ヒルズリート投資法人【3234】:REIT - Yahoo!ファイナンス
星野リゾート・リート投資法人【3287】:REIT - Yahoo!ファイナンス
大江戸温泉リート投資法人【3472】:REIT - Yahoo!ファイナンス
などがあります。
リートを買うと言うのは、その不動産の一部分の所有者(オーナー)になると言う意味です。
分配金(配当金)
リートは基本的に年に2回決算を行います。
運用が順調であれば年に2回分配金を受け取る事ができます。中には、年1回決算のJ-REIもあります。
現在、日本のリートの分配金の利回の平均は4%ほどです。
普通の不動産投資と比べれば利回りは低いですが、価格が明確な点はメリットと思います。
以前はリートの利回りがもっと高かった時期もありますが、今は物件価格が上昇して利回りが下がっています。
出所:一般社団法人不動産証券化協会 https://j-reit.jp/market/03.html
リートのリスク
リートの倒産・上場廃止
リートは運営が会社が運営をしていますので、運絵会社が何かのきっかけで倒産したり、問題を起こしてリートが上場廃止になることもあります。
金利上昇
各リートは投資家から集めお金だけではなく、銀行から借り入れを行って不動産投資をしています。
銀行の金利が上昇するとリートが返済をする金額が増加しますので、分配金は減ります。
環境変化
リートは不動産投資ですので、周囲の環境によって不動産価格が下落したり、空室が増える可能性があります。
自然災害
自然災害は損害保険に加入しているでしょうけど、避けられないリスクです。
リスク分散されたJリート
一つのリートが単純にビルを一棟持っていると言う訳でなく、複数持っています。
仮に一棟で火災が発生しても全て失うようなことは無いと考えられます。
ただそれでも運営会社に何か問題が出可能性もあります。
そう考えると一つのリートに投資するのではなく、色んなリートに投資しようかなと考えると思います。
そこで便利なのが全てのリートに分散投資をしているJリートです。
これはETFと同じ仕組みで、東証REIT指数に連動していて、上場されいるので価格が常に明確で、いつでも売買が出来ます。
ETFとは何?と疑問に思う方は以前のこちらの記事をご覧ください。
ファンド名:上場インデックスファンドJリート隔月分配
略称:上場Jリート
証券コード:1345
上場日:2008年10月21日
決算:年6回
分配金基準日:奇数月の各8日
売買単位:100株
手数料:0.30%以内(税抜)
運用会社:日興アセットマネジメント株式会社
このJリートは100株単位で売買出来ますので、現在の価格1,840 円(2019年1月/25日終値)だと、1,840円X100株=約19万円で100株を買う事が出来ます。
利回りは3.35% ですので、19万円分買えば年間に約6,100円入ってきます。
今は利回りが低いですが、何かのきっかけでJリートの価格が下がって利回りが上昇したと時に買えば結構良いかなと思います。
この10年間で利回りが一番高い時は、2009年2月で7.97%の利回りがありました。
約8%ですから、普通の不動産投資と変わらないですね。
株式市況や経済状況、金利にもよりますが、Jリートの利回りが5%ほどまで上昇したら、買っても良いかなと思いました。
リートは日本だけではなく、香港や米国株の市場にも上場されています。
海外の不動産に海外リートを通じて投資するのも面白いと思います。
例 Link REIT 香港のリートです。
私が現在リートは買わない理由
私が現在リートに投資してない理由は、安定した配当を得るインカムゲインよりも、株価が上がる個別株で儲ける、キャピタルゲインの投資方針だからです。
ゆっくり安定して配当で儲けるよりも、成長する企業の株で大きく儲けたいと考えているからです。
私の現在の投資方針と違いです。
ではなぜ、リートや高配当ETFの記事をブログに書いているか。
それは、2017年の後半のような株価が高い時期に、投資の初心者が株に興味を持って、日本の人気株を買って、その後損失を出している人たちを見ているからです。
アベノミクスは特別な時期でしたが、今後はあのように儲けられる時期は無いと思います。
基本的に日本株で儲けるのは、相当難しい思います。
あまりよく調べずに投資をするなら、個別の日本株より、米国株高配当ETFやリートの方が安定していて、投資に興味を持つきっかけとしては、良いと考えてるからです。