中国株入門 15分で理解できる解説
中国株の事でよく聞かれるのが、日本に居ても中国株は買えるの?と言う質問です。
結論から言うと、買えます。日本の証券会社で買えます。
今日は中国株とは何か、魅力、中国企業が上場している複数の市場、中国株が取引きできる証券会社などについて書きたいと思います。
この記事を見れば中国株の概要を15分で理解して頂けると思います。
その前に株って何?と言う方は、こちらの記事をご覧ください。
- なぜ中国株なの?
- 中国株とは?
- 中国株の上場先 本土(A株・B株)、香港H株、米国の違い
- 中国株へ投資しているETF
- 中国株を取り扱っている証券会社
- 中国株の情報収集に役立つサイト・書籍
- 中国株のリスク
- 動画
なぜ中国株なの?
中国は現在世界第2位の経済大国です。
人口は世界一で消費も世界一のマーケットになっています。
もうこれだけ成長したら、中国は伸びないの?
一人当たりのGDPはアメリカや日本と比べると、かなり低いです。
今後の伸びしろはまだ大きいと考えられます。
ニュースでは中国の成長が鈍化したと言われていますが、それでも6%以上のGDPの成長をしています。
特にITの発展が顕著で、EC、キャッシュレス、シェアエコノミーの分野では日本よりも進んでいます。国家がIT、AIなどの分野の発展に力を入れています。
GOOGLEやFACEBOOKなどの米国のIT企業は、中国ではネットに接続出来ないように締め出されています。
外資のITを締め出す理由は思想や言論の統制の意味もありますが、外国のハイテク企業から中国企業を守る意味もあると思います。
株に投資をするなら、成長している国の株に投資した方が勝てる可能性が高いと思います。
IT企業のテンセントの株価は物凄く伸びてますね。
中国株とは?
中国株とは中国企業の株式の事を言います。そんなことは当たり前ですね。
中国企業の株式と言っても、中国本土市場、香港市場、米国市場などに分かれています。
企業によって上場先が違いますので、欲しい株があればその市場の特徴を理解し、その市場に対応している証券会社で売買しなければなりません。
例えば、日本人が誰でも知っている中国企業と言えば、中国EC企業のアリババだと思います。
アリババは中国企業ですが、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場しています。
中国4大銀行の一つの中国銀行は、中国本土の上海証券取引所とA株と香港市場の2つの市場に同時上場しています。
中国株の上場先 本土(A株・B株)、香港H株、米国の違い
中国本土市場(A株・B株)の中国株
先にお伝えすると、中国本土にはA株と言うものがあり、中国人向けの株式市場です。
私たち外国人(日本人)の個人投資家は、規制があり、A株は自由にに買えないと考えてください。でも一部買う事が出来る銘柄もあります。
本土にはA株とB株と言う2つの株があります。
A株もB株も、それぞれ上海証券取引所と深セン証券取引所の2つの市場で上場されています。
A株は中国の国内投資家(中国人)のための市場です。
2013年4月からは香港、マカオ、台湾人にもA株を解放しました。
また、私たち外国人(日本人)には、2014年11月からA株の取り引きが出来るようになりました。
これは滬港通と言う制度で、外国人が香港の証券取引所を通して上海証券取引所の株式の取引を行うシステムです。
この制度でA株を買う事が出来るのです。
しかしながら、A株の情報は私たち日本人には入手が難しい事、外国人で敢えてA株の取り引きをしている人は非常に少ない事が、A株を避けた方が良いと思う点です。
B株は外国人(日本人)向けの市場です。
B株は2001年に外国人向けの市場として開放されました。
しかし、B株は下記のデータを見ての通り、上場銘柄数が非常に少なく、
ここ何年間も新規上場も無く、全く盛り上がっていません。
B株を廃止すると言う話も何度かあるようです。
B株に優良企業が殆ど無いので、わざわざB株を買う必要はないと思います。
私はA株もB株も売買した経験がありません。
上海証券取引所A株(中国人向けの市場)
時価総額:26兆8,690億人民元
上場銘柄数:1,456社
取引日:月から金曜日
取引時間:前場9:30-11:30 後場13:00-14:57
売買単位:100株
値幅制限:10%
取引通貨:人民元
取引所公式サイト:http://www.sse.com.cn/
上海証券取引所B株(外国人向けの市場)
時価総額:824億人民元
上場銘柄数:51社
取引日:月から金曜日
取引時間:前場9:30-11:30 後場13:00-14:57
売買単位:100株
値幅制限:無し
取引通貨:米ドル
取引所公式サイト:http://www.sse.com.cn/
深セン証券取引所A株(中国人向けの市場)
時価増額:6兆8,357億人民元
上場銘柄数:463 社
取引時間:前場9:30-11:30 後場13:00-14:57
売買単位:100株
値幅制限:10%
取引通貨:人民元
取引所公式サイト:http://www.szse.cn/
深セン証券取引所B株(外国人向けの市場)
時価増額:636億人民元
上場銘柄数:48社
取引日:月から金曜日
取引時間:前場9:30-11:30 後場13:00-14:57
売買単位:100株
値幅制限:10%
取引通貨:香港ドル
取引所公式サイト:http://www.szse.cn/
*深セン証券取引所には上記以外にも中小板や創業板と言う中小企業やベンチャー企業向けの市場もあります。
*上海及び深センのB株には、外国人投資家の持株比率が28%以上になった場合、その銘柄の買い注文の受付を停止し、26%未満まで下がった場合に買い付け注文を再開すると言うルールがあります。また外国人投資家の個別銘柄の持株比率は10%未満と言うルールもあります。このルールは特に気にしなくて良いと思います。
上記は白酒メーカーの芽台酒の株価チャートです。上海証券取引所に上場しており、A株のみ発行しています。
この企業の株を買いたい場合は、A株で買うしかありません。
香港市場上場の中国株
私たち日本人が中国株を買う場合、一般的なのが香港市場に上場している中国株を買うのが良いと思います。
中国の巨大IT企業テンセントは香港市場に上場しています。
米国の店頭市場の銘柄を取り扱っている日本の証券会社は殆ど無いと思いますし、香港株をわざわ米国店頭市場で買う必要はないと思います。
一般的に香港に上場している中国資本、中国登記の企業をH株と言います。
香港証券取引所(外国人が取引き可能)
時価増額:29.9兆香港ドル
上場銘柄数:2,315社、
取引日:月から金曜日
取引時間:前場9:30-12:00 後場13:00-16:00
売買単位:100株、1,000株、2,000株など銘柄による
値幅制限:無し
取引通貨:香港ドル
取引所公式サイト:https://www.hkex.com.hk/
*香港証券取引所で注意をして頂きたいのが、香港証券取引所には中国企業以外にフランスの化粧品会社ロクシタンやイタリアのバッグの企業プラダなも上場しています。
なぜヨーロッパの企業が香港に上場しているかと言うと、それだけ香港市場で資金を調達しやすいと考えているからです。
香港市場はレッドチップ銘柄、H株銘柄、メインボード、GEMとカテゴリーに分けて呼ばれるていますが、あまり気にする必要はないと思います。
レッドチップ:
香港企業や中国以外の海外に登記している企業で、中国国有企業や中国機関投資家の資本が入っている銘企業
H株:
中国の資本で、中国本土で登記されている香港市場上場企業
*上記の取引時間は現地時間になります。
*中国本土及び香港の時間は日本の時間より1時間遅れとなります。日本が朝10時は中国及び香港では朝9時になります。
*上記のデータは2019年3月3日時点のものになります。
上記は中国の民間の自動車会社 吉利汽車の株価チャート。香港市場に上場しています。
米国市場上場の中国企業
中国企業でアメリカの証券取引所に上場している企業があります。
特に中国のIT企業はナスダックやニューヨーク証券取引所に上場することが多いです。
ECサイトのアリババや京東(JD.COM)、検索サイトの百度(BAIDU)、動画サービスのビリビリ動画、荒野行動のネットイースなどは、中国本土市場には上場せずに、アメリカ市場に上場しています。
米国市場に上場している場合、私たち外国人は株を買う事が出来ますが、中国人は基本的に米国の株は買う事が出来ません。
アリババなどは中国人も買いたいと考えていて、以前はアリババを中国本土市場にも同時上場させる話がありました。しかしながらまだ実現出来ていません。
アメリカ・ニューヨーク証券取引所(外国人が取引き可能)
時価増額:約30兆米ドル
上場銘柄数:2,800社、
取引日:月から金曜日
取引時間:9:30-16:00
売買単位:無し
値幅制限:無し
取引通貨:米ドル
取引所公式サイト:https://www.nyse.com/index
ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange 略称NYSE)は、世界最大の証券取引所です。ビッグ・ボード(Big Board)とも呼ばれています。
ニューヨーク証券取引所の株式は売買単位がありませんので、1株でも買う事が出来ます。
アメリカ・ナスダック市場(外国人が取引き可能)
時価増額:140億米ドル
上場銘柄数:3,426社
取引日:月から金曜日
取引時間:9:30-16:00
売買単位:無し
値幅制限:無し
取引通貨:米ドル
取引所公式サイト:https://www.nasdaq.com/
ナスダック(NASDAQI)市場はアメリカ・ニューヨークにある世界最大のベンチャー企業用の株式市場です。
ナスダック市場に上場している中国企業は125社あります。
Companies in China - NASDAQ.com
ナスダックの株式は売買単位がありませんので、1株でも買う事が出来ます。
*上記の取引時間は全て現地時間になります。
中国株へ投資しているETF
中国株へ投資をする際に、中国株の個別銘柄を買う以外にETFを通じて中国企業へ投資する方法があります。
中国株のETFはたくさんありましが、代表的なものをご紹介します。
ETF名:ハンセン・インベストメント・インデックス・ファンド
上場市場:香港証券取引所
コード:2828
概要:ハンセン中国企業株指数(H株指数)に連動するETF
運営会社:Hang Seng Investment Management Limited
サイト:https://www.hangsenginvestment.com/en-hk/hsvm/home/
ETF名:iシェアーズ FTSE 中国A50 インデックス ETF
上場市場:香港証券取引所
コード:2823
概要:中国本土上海と深セン市場のA株の主要50銘柄で構成された指数に連動するETF
運営会社:ブラックロック
サイト:https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/251797/ishares-ftse-a50-china-index-etf#overview
中国株を取り扱っている証券会社
大手の証券会社であれば、どこでも良いと思います。
私の使っている楽天証券会社は、中国株3市場(本土A・B株、香港株、米国株)の全ての市場に対応しています。他にSBI証券でも中国株、米国株、日本株などの取引が可能です。
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/
現地口座について
他に香港の現地の証券会社の口座を開設して、中国株3市場の取引を行う方法もあります。
私は日本の楽天証券と香港の銀行の両方で、香港株と米国化株の取り引きをしています。香港の銀行は、銀行口座で株の売買が出来ます。
私は現在日本の非居住者ですので、香港で株の売買をすれば、日本で発生する株の利益に対する20%の税金(インカムゲイン税とキャピタルゲイン税)を支払う必要がありません。
ただし、日本に住んでいる人は、香港で売買を行ったとしても、株で利益が発生すれば、日本で税金を必ず払わなければなりません。
*証券会社によって本土株、香港株、米国株の取り扱い銘柄数が異なり、全ての株価買えるわけではありません。
*物凄く小さな香港上場の会社を買えないと言う証券会社もあります。
中国株の情報収集に役立つサイト・書籍
AA STOCKS(英語・中国語)
本土株、香港株、米国株の株価を確認するにに非常に便利です。
Yahooファイナンス
香港株、米国株などの世界の株式、金融、経済情報があります。
ブルームバーグ(日本語)
金融経済の情報サイト
ブルームバーグ(英語)
金融経済の情報サイト
ロイター(日本語)
金融経済サイト
ロイター(英語)
米国株と世界金融経済の情報サイト
亜州IR
亜州IR社のメルマガや米国株四季報、中国株四季報の書籍は非常に分かりやすくて、中国株の投資家の必須アイテムです。
http://stock.searchina.ne.jp/index.cgi
中国に特化した情報サイトです。
この記事は下記のサイトのデータを参考に書きました。また各証券取引所の公式サイトより情報を入手しました。
グーグル・パブリックデータ
https://www.google.co.jp/publicdata/
中国株のリスク
株式投資は元本保証ではありません。
また中国株は本土上場の場合は人民元、香港上場の場合は香港ドル、米国上場の場合は米ドルで取引をしますので、為替のリスクがあります。
せっかく株で15%の利益が出ても、15%円高になってしまば利益は無くなってしまいます。
投資を行う際にはご自身判断し実行してください。
動画
中国株の入門の動画もあります。合わせてご覧ください。
2020年版です。