2020年マンション大崩壊 牧野 知弘 (著)
2020年マンション大崩壊 牧野 知弘 (著)
日本の住宅状況の状況を書いた本です。
少子高齢化と人口減少で不動産価格の上昇が見込めないマンション保有は、自動車保有の状況に少し似ていると思いました。
そう思う理由は、
- 新築でも買った途端に中古物件で売却価格は下がる。また値上りや相場価格が維持できるのは一部の高級車と同じく、一部の立地の良い物件のみ。
- 所有するだけで、維持修理と税金にお金がかかる。一定期間所有すると価値がなくなる。
- 古いものは、最新の物より機能や見た目は劣る。
この本から得たポイント
- 2023年には空き家比率は21%、5軒に1軒が空き家になる。
- バブル期に建てられたリゾートマンションだけでなく、少子高齢化により都心の老朽化したマンションも競争力がなく、空室が増える。
- マンション購入と言うのは共同体に入会する権利を買う事。
- 住人に高齢者が多くなると管理組合が機能しなくなり、管理費の滞納等で、エレベーターの修理も出来なくなる。費用がかかる建替は住人の意見が一致しないし、ほぼ無理。住人はそれぞれ経済事情が違うので、意見は対立する。
- 都心でもマンション空き家は増加しているにも関わらず、相続税対策のタワーマンションや節税対策のワンルームマンションがどんどん供給されている。競争力のない古いマンションは住人が居なくなり負のスパイラル。都心のブランドエリアだけは資産価値を維持する。
- マンションはもう資産でなく、消耗品となる。特に新築物件は割高で買わされ、うるときの価格は期待出来ない。
- タワーマンションは維持修理費が予想以上にかかる。
- 日本の大半のマンションでは修繕積立金は十分ではない。ローンで買っていた場合、修繕費が追い打ちをかける。
私の感想
マンションを買うというのは、同じマンションに住む全く他人と建物を共有することです。
隣や上下階だけでなく、同じマンションに変な人が居た場合、管理組合が上手く機能しなくなります。
数千万円もするような高額な買い物を、全く知らない人と共有するのはリスク大と思います。
それに、外国のようにインフレ経済の場所では、マンションの為に借金をして買っても、値上がりは期待出来るでしょうけど、日本では東京の一部を除いて、不動産価格が上がる可能性は低いです。
日本で住宅は、お金に余裕があれば買っても良いでしょうけど、ずっとそこに住むか分からない場合、賃貸の方がいつでも出ていけるし、気楽で良いと思います。
中国の様に大家が圧倒的に強い場合、賃貸マンションに住んで、契約していても、いつ追い出されるか分かりません。
日本では一旦借りると、家賃を滞納しても暫く住むことが出来るほど、借り手が強いです。
私は、株式やリートなどのいつでもキャッシュに出来る金融商品を保有し、その金融商品の配当で賃貸マンションに住むのが良いと考えています。