通訳を通して、外国人とのコミュニケーションの方法
私は10年以上中国で生活をしています。
中国人とのコミュニケーションの難しさを良く感じることが多くあります。
特にビジネスで起こる問題はコミュニケーションが原因の事が多いと思います。
通訳を通しても、言いたい事が伝わってない
中国で日本人複数と中国人複数で会議をする際、日本人で中国語が分からない人が居る際には、中国人が通訳となることが多いです。
中国人が通訳をする理由は、中国人で日本語が上手な人が多いからです。
会議に参加していていつも思うことは、日本人が言いたいこと、中国人の言いたいことは100%伝わらない。
場合によっては言いたい事と全く反対の意味で伝わっていることがあります。
日本語が上手な通訳を通して中国人に伝えたはずなのに、伝わっていないと言うのは幾つか原因があると思います。
今日は私が常日頃考えている、通訳を通して外国人とコミュニケーションを上手く取る方法をお伝えします。
正しい日本語で話すべき
日本人の悪い例:「最近の日本のA社が中国の取引先への売掛金が急増していると聞きました。引っかかるんじゃないかと心配です。」
この会話の中の「引っかかる」とは、売掛金が回収出来ないと言う事です。
通訳を通して話す場合は、「売掛金が回収できなのでは」と言うべきです。
日本人の悪い例:「今回のダウンジャケットのデザインは良くないとは思いません」
この場合は、「良いと思います」と明確に言うべきと思います。
日本人が通訳に向けて日本語で話す際、正しい日本語で話す必要があると思います。
話す時は、短く区切って、明確に話すべき
長い話を通訳に向けてどんどん話すと、通訳が理解しきれない、覚えることが出来ない事があります。
また長い話や複雑な話の場合には、一文ずつ話し、通訳が一文の通訳をし終わってから、次の話をすべきと思います。
まず通訳が理解しているかが一番重要です。
通訳が話を理解してない場合、正確な話が伝わりません。
また、通訳が中国人に話をしている事を、聞いている中国人の表情を見て理解しているか確認する必要があります。
もし、話を聞いている中国人が理解してないと思ったら、理解しているか確認し、もう一度説明しないと伝わりません。
それと、大人数で会議をする場合、通訳を通してやり取りすると、会議の時間が物凄く長くなります。明確に伝えるには、事前に資料を準備するか、資料が無ければ紙かホワイトボードに書いて説明すると正確に伝わりやすいと思います。
一人の人が話をして、その話を通訳が通訳し終わるまで聞いてから、次の人が話すべきます。
日本語の中に、カタカナ英語、和製英語は使うべきでない
中国人で日本語を話せる人は、日本語が非常に上手で凄いなあと思うのですが、日本語が日本人の使うカタカナ英語を性格に理解出来る人は少ないです
。
また、中国人で日本語が上手で、英語も両方が出来る人は少ないです。
まあ、そうですよね、日本人でも3ヶ国語をきちんと出来る人は非常に少ないと思います。
日本人の悪い例:「今週末がデッドラインですよ」、「あの申請はリジェクトされました」
この場合は、「来週末が締め切りです」や「来週末までに完成させないとなりません」、「あの申請はダメでした」などと言うべきと思います。
私がある工場の倉庫で見たのが、日本人がフォークリフトを操作している中国人に、「ちょいアップ、ちょいアップ」と叫んでいました。
フォークリフトの爪の高さをもう少し上げなさいと言っていました。フォークリフトを操作している中国人は普段は日本語が話せるのですが、この時は意味が理解してませんでした。
日本人の私が聞いても初め、何を言ってるのか分かりませんでした。「ちょいアップ」と2回聞いて、意味がやっと分かりました。
中途半端な中国語を混ぜるべきない
日本人も中国に居ると中国語を勉強しますし、出張で中国に来ていると多少の中国語は覚えます。ただし、会議では日本語を話した後、中国語に翻訳する。中国語で話した後、日本語に翻訳すると言うルールを一旦決めたら、それを守るべきと思います。
日本人で自分が知っている中国語を、会議の中で日本語に混ぜて言う人が時々います。
日本人が日本語の中に中国語の単語を交えて話すと、他の日本人がその単語を知らないので理解出来なかったり、日本人が言った中国語の発音が悪くて、通訳が理解出来なかったりすることがあります。
少し覚えた中国語を中国人の前で披露するのは、お互いの文化を尊重する意味では良いと思うのですが、重要な会議では中途半端に使うべきではないと思います。
もし相手を尊重して中国語を話すなら、会議の前に少し中国語で挨拶をするだけで良いと思います。
また和製英語に通じることですが、英語が出来る日本人は、通訳を通して伝わらない場合、英語で話す人がいます。
相手の中国人が英語を話せる場合、言いたいことは伝わるかも知れませんが、通訳者が英語が出来ない場合、通訳が理解出来ません。
そうなると通訳が話の流れを理解出来ないので、その後の通訳の内容に影響が出ます。
通訳は疲れる
1時間の会議でも、通訳をする人はかなり疲れます。疲れるとどうしてもいい加減な通訳になって、省略して通訳をするようになります。
外国語が出来るなら、通訳の内容を確認する
私は通訳を通して話をしている時、自分が日本語で言い終わったら、通訳者の言う中国語を必ず聞きます。
時々、通訳者の意見が入って、私が言いたいことと全く違う事を伝えている時があるからです。
その一例として、私がある中国の企業を訪問し、その会社の社長と話をしていた時、相手を持ち上げようと、「貴社の技術は進んでいて凄いですね」と言いました。
その時通訳は「貴社の技術は進んでいて凄いですね。Mさんは日本が負けるのではないかと心配しています」と言いました。
通訳者が「心配しています」と付け加えたので、相手は私が中国に技術に嫉妬していると思ったに違いありません。相手を持ち上げる為に言ったことが、全く反対の効果になりました。
私はこれを聞いていて、違う事を言ってると思って、その後フォローを入れました。
恐らくですが、その通訳者は以前別のところで日本人が中国企業の事について何か良くない事を言っていたのを聞いて、私もそのように考えていると思ったのかも知れません。
私は英語と中国語を勉強したことがあります。以前勉強方法をまとめましたので、参考までにリンクを貼っておきます。
最後に
通訳者に分かりやすい日本語で話すと言うのは、グーグル翻訳サイトやスマートスピーカーに話しかける場合も同じだと思います。
正しい日本語で明確に言わないと、日本独特の文化背景が無い外国人や翻訳サイトには細かい事は伝わらないと思います。
私の失敗例
日本語が理解出来る中国人に、メモを渡して「これを東京のA社まで送付して」と依頼しました。
そのメモ書きには「サンプル黒:2個、白サンプル:2個」と書きました。
2日後、東京のA社から電話があり、「何かよく分からないメモ書きみたいな紙が届きましたが、何ですか」と聞かれました。
私はメモの内容のサンプルを送付して欲しかったのですが、渡したメモ書きの紙をA社まで送付してくれていました。
この失敗は外国語が話せる、話せないの問題ではなく、伝え方の問題だったと思います。