テンセント・ミュージック業績は? 株価が急伸
テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)の株価が今週になって急伸しています。
2018年12月12日に13米ドルで上場し、昨日の終値で15.91米ドルと約22%上昇していいます。PERは49倍。現在の時価総額は約260億ドル(約2兆8,600億円)
もう直ぐ2018年第4四半期の決算発表が出ると思うのですが、2017年と2018年の業績を確認してみたいと思います。
ポイント
2018年の利益は第3四半期までで既に、2017年通年利益の2倍!
投げ銭のビジネスモデルを確立してる!
テンセント・ミュージック・エンターテイメントの事業内容
テンセント・ミュージックはQ Music、Kugou Music、Kuwo Music、WeSingの4つのサービスを展開しています。
これからは、音楽ストリーミングサービス、カラオケアプリ、ライブストリーミングサービスなどを行っています。
テンセント・ミュージック系のアプリは、中国の音楽アプリのシェア76.1%を抑えています。
8億人のMAU(Monthly Active Users・月間アクティブユーザー)で、有料会員が3,280万人。200社を越える音楽レーベルとの契約しています。
Spotifyとの関係
2017年に親会社のテンセントがSpotifyと株式交換を行い、テンセントはSpotifyの7.5%を保有しています。
一方、Spotifyはテンセントの9.1%を保有しています。またテンセント・ミュージックがSpotifyの2.5%を保有しています。
テンセント・ミュージックは中国国内市場、Spotifyは中国以外の市場で運営しているので、お互いに競合することはなく、提携することで多くの楽曲を配信出来ます。
SpotifyのMAUは1億7000万人、有料会員が7500万人ですが、Spotiryは利益は未だ出していません。
テンセント・ミュージック・エンターテイメントの業績
*上記グラフは著者自身が作成しました。
データの出典は、TME上場時のREGISTRATION STATEMENT
https://www.nasdaq.com/markets/ipos/filing.ashx?filingid=13100052
2017年の売上は109億元(約1,744億円)、営業利益が15億元、最終利益が13億元(約256億円)です。
2018年の売上は第3四半期までで既に、売上は135億元(約2,160億円)、営業利益が30億元、最終利益が27億元(約432億円)に達しています。
2018年は第3四半期までで、純利益率20%です。驚異的ですね。
テンセント・ミュージックの売上は2つの事業から成り立っています。
音楽サービス(ストリーミング事業)
1つはSpotifyと同じようなストリーミング事業です。
サブスクリプションモデルで音楽を配信します。
私もQQ音楽アプリで歌を聞きますが、以前は無料で世界中の楽曲が聴くことが出来ましたが、今は徐々に有料化されてきています。
QQ音楽の料金は?
安いプラン(1か月300曲までのダウンロード制限あり)で12か月:88元、3か月:24元、1か月8元です。
豪華プラン(ダウンロード)無制限で12か月:178元、3か月:45元、1か月:15元
上記料金は私のスマホのQQ音楽の料金表を基に記載しました。
ソーシャル事業
もう一つの事業はソーシャルです。
ソーシャルの売上はストリーミングの約2倍の規模です。
ソーシャルはTMEの稼ぎ頭ですね。
代表的なのが、WeSingと言うアプリです。
このアプリを使って自分で歌を歌って、他人と共有し、コメントを貰ったり出来ます。
自分が歌手になった気分で歌を歌い、聞いてる人が投げ銭をする仕組みです。
ギフトと言う投げ銭を送るのですが、このギフトの販売がテンセント・ミュージックの売上になります。
日本のSHOWROOMのビジネスモデルはこのような中国のサービスを参考にしています。
このソーシャルの事業はSpotifyにはありません。
将来性
ソーシャルの投げ銭のビジネスモデルは中国独特のもので、これを確立してるのは強いと思います。
また中国では著作権の意識がまだ弱いのでストリーミングからの収益はこれから拡大していくと思います。
ちなみに、テンセントの株主は条件が合えば、テンセント・ミュージックが貰えます。
条件については下記の記事にまとめています。
テンセントの株主へ テンセントミュージック株を配布 - M Blog 株式投資物語