人生は攻略できる 橘玲(著)
人生は攻略できる 橘玲(著)を読んだ感想とメモを書きます。
この本は橘玲氏が若者に向けて、人生をどうやって幸福に生きていくかを解説した本です。
私はこれまで橘玲氏の殆どの本を読んでいます。
昔から内容は徐々にアップデートされていて、毎回新作を読むたびに私の中の考えもブラッシュアップされるように思います。
著者の橘玲氏は、早稲田大学を卒業後、出版社で編集などをしていて、その後、マネーロンダリングや金融、海外投資、人生設計をテーマにした本を書いている作家です。
橘玲公式ブログ
https://www.tachibana-akira.com/
3時間くらいで一気に読み終える本です。
若者向けに書いた本ですが、著者の考え方は独特で、普通の中高年の人には無い発想ですので、どの年代の方が読んでも十分参考になると思います。
グローバル化とテクノロジーの進化によって、私たち日本人の人生設計は、これまで考えていた通りでは上手くいきません。
「人生ゲームの約束事が大きく変わりつつある」と言っています。
幸福な人生をおくるためには、次ぎの3つの土台が必要と言っています。
- お金(金融資本):資産
- 仕事(人的資本):稼ぐ力
- 愛情・友情(社会資本):友達と評判
幸福とは何か?
著者が考える、幸福の定義は、好きなことを夢中でやって、いまが楽しい事。
後から振り返って「幸福だった」と思える事のようです。
元々金持ちに生まれた人は、金持ちの状態を維持しても余り幸福を感じないようです。なぜかと言うと、変化が無い人生には、物語が無いからです。
それよりも貧乏な人が色んな障害を乗り越えながら、良い方向に変化していく過程で、幸福を感じるようです。
自分の人生を人に話す時、物語として面白く話せる人は、幸福な状態だと思います。
例えば、資産や自分のスキルは、徐々に右肩上がりで良くなっていくと楽しいですし、さらに努力しようと言う気になると思います。
人の可能性は無限大だが、年をとると減っていくと言っています。確かに年を取ると出来ることが徐々に減っていきますし、若ければ挽回出来る事でも、年を取ってからでは、失敗すると取り返しがつかない事もあります。
自分らしさとは何か
自分らしいと言うのは、自分のキャラに合っていると言う事で、自分のキャラは友達グループの中で、自分を一番目立たる役割の事のようです。
子供は自分の得意な事をして、褒められたり、目立つことでモティベーションが上がるので、更に得意なことをやろうとします。
もしある子供が友達グループの中で一番ピアノが上手でも、そのグループにもっとピアノが上手な子が来ると、やる気が無くなってしまいます。
集団の中でキャラが無意識のうちに作られていくようです。
好きなことと得意なことが違っていた場合、好きなことよりも、得意なことを頑張って伸ばした方が人生が上手くいく。
人は初対面の人と出会うと、一瞬で自分に合うか、合わないかを見極めるようです。
見極めるには、無意識のうちに次の6つを知ろうとするようです。
① 頭がいいか、そうでないか(知性)
② おもしろいか、つまらないか(経験への開放性)
③ 信頼できるか、あてにならないか(堅実性)
④ 明るいか、暗いか(外向性)
⑤ みんなといっしょにやっていけるか、自分勝手か(同調性)
⑥ まともか、まともでないか(安定性)
確かに初対面の人と出会たときには、相手が自分に合うか合わないかで、その時の対応を直ぐに考えると思います。また自分の友達には自分に似た人が集まるようです。
3つの土台の作り方
仕事(人的資本)とお金(金融資本)
お金持ち=(収入-支出)+(資産x利回り)
仕事(人的資本)増やすためには、仕事を頑張る事。これは当たり前ですね。
結婚しているのであれば、奥さんが働く事。奥さんが働かずに専業主婦を続けると、生涯年収2億円の違いがある。
共働きの世帯の生涯年収が6億円とした場合、15%を貯蓄に回せばそれだけで9千万円になる。
ただ日本は外国と比べて、出産後に女性が活躍できる仕事がまだまだ少ないとのことです。
愛情・友情(社会資本)についてですが、以前の著者の別の本でもこの事を書いていましたが、今回の本では社会資本は単純に友達や家族だけでなく、SNSの「いいね」やフォロワーは社会資本を数値化されたもので、利益を生み出すと言っています。
今はツイッターのフォロワーが多くいれば、それを使ってマネタイズ出来ますからね。
評判を上げるには、他人から情報を得るだけでなく、良い情報を人に与えたり、人と人を紹介するような人に成らなければいけない。
ホントその通りだと思います。
私がこのブログを書いている理由は、自分のアウトプット能力を高めることと、皆さんに情報を発信することで、ブログを読んで、楽しんで投資の勉強を一緒にやっていくことです。このような過程で、同じような価値観を持った投資仲間と、リアルでも友達になればと考えています。
橘玲氏の本は、色んな研究や調査事例を使って、信頼性が高く、解説が分かりやすいです。毎回勉強することが多くあります。
この本は何度か読み返して、もっとインプットしたいと思います。
一番心に残ったのは、私自身の人生も物語として人に話せるものなのか、今のままではいけないなあ、もっと深く努力すべきだと思いました。
今回の「人生は攻略できる」は橘玲氏のこれまでの著書のアップデート版、ダイジェスト版と言う位置づけだと思います。
著者の考える人生設計の全体を知ることが出来ますが、それぞれの詳しい事を知るには過去の本を読んだ方が良いと思いました。
著者の過去の本でおススメをご紹介します。
人生設計についての本。
投資をする心構えとして、この本はロバート・キヨサキ氏の金持ち父さん、貧乏父さんと同じくらい良い本です。
タイトル通り、株式投資の事について書いている本です。
橘玲氏の大学時代から、出版社勤務時代、起業した経験などについて書いている小説です。
橘玲氏のデビュー作の小説です。
これを読んだとき、著者は本当に香港などに住んで、投資をしているかなと思いました。