会社は社長や社員の物ではなく、株主の物
会社は誰のもの、と言う事を書きたいと思います。
株式投資をしていない会社員(サラリーマン)は、自分が働いている会社は、自分の生活を守ってくれる組織であり、自分たちのための組織と考えている事があります。
しかしながら、会社は社員の物でも、会社の中で一番偉い社長の物でもありません。
会社がメインバンクから多くの負債を抱えていても、銀行の物でもありません。
会社は誰のものなのか?
会社は株主(資本家)の物です。
株主が一番リスクを取っている
労働者の立場からすると、自分たちは長時間働いて、多くのサービスや商品を生産販売しているのに、株主(資本家)は何もせずにずるい、楽してると思うかも知れません。
しかしながら、経済的なリスクを一番多く取っているのは株主なのです。
企業には、顧客、仕入先(下請け)、従業員、銀行、国、経営者、株主とおおざっぱに、7つの人たちが関わっています。
企業は生産したサービスや商品を顧客へ販売し、売上金を稼ぎます。
売上金の中から、仕入先や下請け企業に、仕入れ代金を支払います。
売上から仕入れ代金を差し引いたものが、粗利益です。
次に企業は、粗利益の中から、従業員へ給与を支払います。
粗利益から給与を差し引いたものが、営業利益です。
次に企業は、営業利益の中から、銀行への借り入れの金利を支払います。
営業利益から銀行への金利を差し引いたものが、経常利益です。
次に企業は、経常利益の中から、特別な損益を調整し、税引き前利益にして、国に税金を支払います。
税引き前利益から税金を差し引いたものが、純利益です。
次に企業は、純利益から、経営者へ役員報酬を支払います。
純利益から役員報酬を差し引いた、最後の最後の利益が株主の物です。
上記のように、株主は一番経済的なリスクを取っています。
会社が赤字でも、仕入先は支払いを受け取る事が出来ますし、従業員には給与が支払われます。
このような赤字の会社の場合、銀行は金利を回収出来ない可能性もありますし、国は企業所得税を取れない可能性がありますし、株主は何も得るものがありません。
下手をすると株主が出資した資金が失われる事もあります。
株主が一番リスクを取っているからこそ、株主が一番偉くて、会社の本当の利益を取る権利があります。
子供の時は会社の社長が会社の中で一番偉いと思っていましたが、社長(経営者)は株主から経営を任されているだけで、社長が無能だと株主から解任されます。
また社長だからと言って、会社のお金を勝手に自分のために使うと、株主から訴えられます。
中小企業の場合、社長が自分で株を全て保有していて、社長=株主の場合は、社長が一番偉いことになります。
会社は株主の物だけど、正直に言えない?
会社は株主の物と言うのは、当たり前の事なのですが、表立って「会社は株主のものだ」と言わない方が良い場合があると思います。
顧客の前では、弊社はお客様へ良いサービスと商品を提供するために日々努力していますと言うでしょう。
従業員の前では、従業員は家族のようなものです。従業員とその家族のために、会社の業績をもっと上げて、共に成長しましょうと言うでしょう。
決して株主の利益のために、顧客に物を売っています。従業員は株主のために働きなさいと言わないです。
株主になろう!
「会社は株主の物」と聞くと、資本家だけが良い思いをして、労働者は報われないと思うかも知れません。
でもこれが事実です。
労働者は労働を提供し、人的資本と時間を提供する引き換えに給与が貰えます。
労働者はいくら頑張っても資本家には勝てないのも、事実です。
じゃあどうすれば良いか?
それは、株を買う事です。
若しくは、自分で起業し、自分が株主の会社を設立することです。
上場企業の株は、平等に誰でも買うことが出来ます。
私も株式投資をするようになって、株主の目線で企業を見るようになりました。
企業の社長の経営が悪く、利益が減益になったりすると腹が立ちますし、思った通りの業績にならない場合、見切りをつけて株を売却します。
普通の労働だけでは、一生資本家に勝てませんから、私たちも株を買って資本家になるべきと思います。