中国急成長企業 ラッキンコーヒー(Luckin Coffee )がナスダックにIPO申請
中国でスタバに次ぐ店舗数を出店し、急成長の中の、中国資本のカフェチェーン ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)が、米国ナスダック市場へIPO(新規上場)の申請を行いました。
中国語名は 瑞幸咖啡。
ティッカーコードは、LKになるようです。
中国企業が米国ナスダック市場へ上場すると言う事は、ADS(American Depositary Shares米国預託株式)を発行します。
ADSとは米国外で設立された会社の株式を裏づけとして米国で発行される有価証券です。
要は株式と同じと考えてください。
中国でもスターバックスコーヒーはナンバーワンの大型カフェですが、2018年に中国企業のLuckin Coffee(瑞幸咖啡)が猛烈な勢いで店舗数を増やして、スタバに追いつこうとしています。
急成長していますが、まだ赤字の企業です。
今後もっと店舗数を増やして黒字化するのか、若しくは上場ゴールでダメになるのか、非常に気になるところです。
以前ラッキンコーヒーについての記事を書きましたが、ついにナスダック市場へIPO申請と言う事で、上場申請時の書類を見て、店舗数、中国カフェ状況、利益、メニュー、実際のお店の感想を纏めました。
以前の記事はこちらをご覧ください。
中国Luckin Coffee(瑞幸咖啡)って? IPOは? - 中国株 米国株なら-ゆうの株式投資物語
またラッキンコーヒーの上海の店舗の動画を撮影しましたので、ご参考までにご覧ください。お店の雰囲気が伝わると思います。
Luckin Coffee(ラッキンコーヒー)とは
Luckin Coffeeは、創業2年足らずと言う短い期間にも関わらず、中国28都市に2019年3月時点で2,370店舗の直営店を運営しています。
- 2017年6月にラッキンコーヒーを設立
- 2018年には9千万個の商品を販売
- 2019年3月31日までの累計顧客数は、1億6千800万人
- 2年弱で2,370店舗
Luckin Coffeeの特徴
☑完全キャッシュレスで、モバイルアプリを通じて注文
アプリを通じて注文するので、列に並ぶ必要がありません。
中国のスタバではいつも長蛇の列で、コーヒーを買うまでに結構なストレスがあります。
また列に並んでいる間に、席が無くなってしまう事がよくあります。
デリバリーもしてくれます。
☑店舗は3タイプあり、店舗の91.3% がピックアップ用の店舗
オフィスビル、ショッピングモール、大学などの一角に店舗があり、ピックアップ用店舗は、テイクアウトを重視した店舗なので席数は少なく、店舗の面積が小さいため、家賃が安く抑えられます。
他にゆったり出来る座席の多い店舗、デリバリー専門の店舗があります
Luckin Coffeeの業績
ラッキンコーヒーの売上を見てみると、創業した2017年のは25万元(約400万円)、2018年には8億4千万元(約134億円)、2019年の1-3月が4億7千万元(約75億円)でした。
2019年はたった3か月で前年の売上の半分を上回っています。
しかしながら、純利益は2017年が5千6百万元(約8.9億円)の赤字、2018年が31億元(約496億円)の赤字、2018年1-3月が5.7億元(約91億円)と大きな赤字です。
店舗数が半端なく伸びているので、売上も急拡大しています。
店舗数を拡大し、スターバックスを追い越して、中国ナンバーワンの店舗数を目指している最中なので、まだ投資段階です。赤字なのは当たり前です。
アプリを使って見るとわかるのですが、色んなキャンペーンで無料でコーヒーを飲むことが出来たり、割引などが色々あります。
上場の書類を見ると、新規顧客を獲得するためのコストが、2018年第1四半期に103.5元(約1,656円)だったのが、2019年第1四半期には16.9元(約270円)まで下がっています。
新規顧客獲得のためのコストが大幅に下がりました。
また顧客数はどんどん増えています。
財務の数字を見るだけでは、今後の業績はどうなるか全く想像がつかないですね。
中国のスタートアップは、物凄い勢いで売り上げや店舗数を拡大しますが、いつまで経っても利益が出ず、ダメになってします事が良くあると思います。
ただこの後書きますが、上海のらラッキンコーヒーの店舗を見る限り、お客さんは結構入っていますし、今後に期待できるのかなとも思います。
ラッキンコーヒーのメニュー
ラッキンコーヒーのメニューを見て思うことは、まずコーヒーもフードもスタバより1-2割ほど安い事です。
またフードメニューは、かなりバラエティー豊富です。
メニューは中国語に加え、英語でも表記されているので、外国人にも分かりやすいですね。
飲料メニュー
コーヒー、紅茶、アイスを使ったスタバのフラプチーノのようなエクスフローゾと言うのがあります。
また100%のフルーツジュースもあります。
どれも30元未満で、価格はスタバと比べて1-2割ほど安い設定になっています。
フードメニュー
食べ物はお昼のランチでサラダ、麺もあります。
カフェに麺は場違いな気がしますが、ここは中国です。
中国人に人気の麺をメニューに取り入れています。
フードメニューの価格も30元未満とスタバと比べて安いですし、上海のような都市で、一般の店でお昼ご飯を食べる事を考えると、ちょっと安いかなと思います。
軽食
サラダやチキンのラップやマフィンは10元以下。
非常に安いですね。
ケーキも16.5元とかなり安いです。
食べたことはないので味は分かりませんが、どうなんでしょうね。
中国のカフェチェーンの状況
中国ではお茶を飲む文化のため、高齢者はコーヒーを殆どのみませんが、若い人と特にホワイトカラー層はコーヒーを良く飲みますし、カフェで待ち合わせや打ち合わせを良くします。
10年ほど前までは、中国のカフェチェーンと言えばスタバの独占状態でしたが、最近では色んなカフェが店舗を出しています。
中国でのカフェチェーンの店舗数
☑1位:Starbucks Coffee(米国企業):3,789店舗
王道の米国のカフェチェーン。中国ではナンバーワンの店舗数を誇ります。
スターバックスはIT大手のアリババと組んで、デリバリーも行っています。
中国のスタバはどの店舗にいつ行っても、非常に混んでいます。第3の場所として落ち着けて、スタバはコーヒーを売っているのではなく、雰囲気を提供していると言いますが、落ち着いた雰囲気は全くありません。非常にガヤガヤしています。
上海には、世界一大きなスタバがあり、お店がコーヒーの焙煎工場になっています。
以前このお店の記事を書きましたので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
☑2位:Luckin Cofffee(中国企業):2,370店舗
創業2年足らずで2,370店舗。味はまあまあ。注文やメニューは全て専用アプリ。
デリバリーも行っている。
海外進出は未だしていないので、日本には店舗はありません。
☑3位:Maan Coffee(中国企業):約510店舗
チェーン店以外にも個人経営でお洒落で、美味しいコーヒーを提供するカフェもかなりあります。
☑4位:Costa Coffee(英国企業):459店舗
ザ・コカ・コーラ・カンパニー(KO)が運営するコスタコーヒーは日本には進出していませんが、中国のショッピングモールやオフィスビルに店舗を構えています。豪華な内装のお店です。
以前コスタコーヒーの記事を書きましたので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
☑5位:Pacific Coffee(香港企業):約300店舗
香港発のコーヒーチェーン。以前は香港市場に上場している企業の傘下でした。
現在の株主は不明です。
ラッキンコーヒーの店舗へ行った感想
私はカフェが大好きで、週末はカフェで読書やネットをします。良く行くカフェはスタバや韓国系のZOOコーヒー、日系のコメダ珈琲です。
これらのカフェに行く理由は、コーヒーの味にに外れが無く、お店も綺麗だからです。
短時間の滞在であれば、最近はラッキンコーヒーへ行くことも良くあります。
ラッキンコーヒーのお店の内装はシンプルでオシャレです。
ただ座先数が少ないので、ゆったり出来ません。
ピックアップ(テイクアウト)を重視した店舗だからだと思います。
味は普通においしいです。スタバと変わらないと思います。
価格はスタバより2割ほど安い感じです。
ラッキンコーヒーの最小サイズのカップで、スタバの2番目に大きなカップサイズのグランデ程の大きさだと思います。
ちょっと得した気分ですね。
Luckin Coffeeの上場の価格や上場時期は未だ決まっていません。
今後、上場まで注目していきたいと思います。
*今回の記事は、Luckin Coffeeの公式サイト、Luckin Coffeeの上場申請の書類、私自身がLuckin Coffeeの店舗へ行って取材した内容により書いたものです。
Luckin Coffee公式サイト
Luckin Coffee上場資料
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1767582/000104746919002450/a2238391zf-1.htm