テンセント・ミュージック(TME)2019年第1四半期決算
テンセント・ミュージック・エンターテイメント(TEM)の2019年第1四半期決算(3月期決算)を見ていきたいと思います。
- テンセント・ミュージック(TME)2019年第1四半期決算内容
- テンセント・ミュージック(TME)の株価と株を買うタイミング
- テンセント・ミュージック(TME)の2つの事業内容
- テンセント・ミュージック・エンターテイメントの4つのサービス
- Spotifyとの関係
テンセント・ミュージック(TME)2019年第1四半期決算内容
- 売上:57億4千万人民元 (8億5,500万ドル) 前年比39.4%UP
- 営業利益:11億5千万人民元 (1億7,100万ドル) 前年比22.9%UP
- 純利益:9億8,700万人民元(1億4,700万ドル) 前年比17.4%UP
CEOのMr. Cussion Pangは、「2019年の第1四半期は力強い成長をした。私たちの事業は製品のイノベーションとコンテンツの多様性と技術の進歩によって、健全な成長を記録した。」と述べています。
ここがポイント!
ビジネスモデルがSoptifyと同じように思われるかも知れませんが、音楽ストリーミングの売上が約16億人民元、ソーシャル(投げ銭など)が41億人民元と、売上の72%がソーシャルで、Soptifyとは収益モデルが全然違います。
売上の72%が日本のSHOWROOMのような、視聴者が出演者に投げ銭をするビジネスから出来ています。
各ユーザー数
- 音楽オンラインユーザー数:6億5,400万人(前年比4.6%UP)
- ソーシャル・エンターテイメント・ユーザー数:2億2,500万人(前年比0.4%UP)
- 有料音楽オンラインユーザー数:2億8,400万人(27.4%UP)
- 有料ソーシャル・エンターテイメント・ユーザー数:1億800万人(前年比12.5%UP)
- 音楽オンラインARPPU有料会員一人当たりの平均月間売上高:8.3人民元(前年比1.2%DOWN)
- ソーシャル・エンターテイメントARPPU有料会員一人当たりの平均月間売上高:127.5人民元(前年比28.1%UP)
オンライン音楽とソーシャル共に、ユーザー数はあまり増えていませんが、有料会員が増えています。
テンセント・ミュージック(TME)の株価と株を買うタイミング
2018年12月12日にアメリカナ スダック市場に上場をしました。
IPO時の公募価格は13ドル、上場後最高値14.75ドルをつけました。
決算発表日に役員のMr. Guomin Xieが個人的な理由で辞任すると言うニュースがあり、株価が連日下げました。
また米中貿易戦争で中国株の市況が良くないため、株価は2019年5月24日の時点で13ドル台まで下げています。
2018年のEPSが0.38ドルですので、株価が14ドルでPERは36倍になります。
Yahoo! FinanceのEarnings Estimateを見ると13人のアナリストの2019年のEPSの予測が0.33ドルから0.46ドル。平均で0.41ドルになっています。
2019年のEPSが0.46ドルの場合、21%の成長率なので良いと思います。
でも、アナリスト予測の平均の0.41ドルの場合、7.8%の成長率なのでちょっと低いですかね。
アナリスト予測の平均の0.41ドルX株価収益率(PER)30倍として場合、株価12.3ドル。
12.3ドル以下になれば買おうかなと思います。
ただ中国株の市況が反転しないと怖くて買えないですね。
テンセント・ミュージック(TME)の2つの事業内容
音楽サービス(ストリーミング事業)
1つはSpotifyと同じようなストリーミング事業です。
サブスクリプションモデルで音楽を配信します。
私もQQ音楽アプリで歌を聞きますが、以前は無料で世界中の楽曲が聴くことが出来ましたが、今は徐々に有料化されてきています。
QQ音楽の料金は?
安いプラン(1か月300曲までのダウンロード制限あり)で12か月:88元、3か月:24元、1か月8元です。
豪華プラン(ダウンロード)無制限で12か月:178元、3か月:45元、1か月:15元
上記料金は私のスマホのQQ音楽の料金表を基に記載しました。
ソーシャル事業
もう一つの事業はソーシャルです。
ソーシャルの売上はストリーミングの2倍以上の規模です。
ソーシャルはTMEの稼ぎ頭ですね。
代表的なのが、WeSingと言うアプリです。
このアプリを使って自分で歌を歌って、他人と共有し、コメントを貰ったり出来ます。
自分が歌手になった気分で歌を歌い、聞いてる人が投げ銭をする仕組みです。
ギフトと言う投げ銭を送るのですが、このギフトの販売がテンセント・ミュージックの売上になります。
日本のSHOWROOMのビジネスモデルはこのような中国のサービスを参考にしています。
このソーシャルの事業はSpotifyにはありません。
テンセント・ミュージック・エンターテイメントの4つのサービス
テンセント・ミュージックはQ Music、Kugou Music、Kuwo Music、WeSingの4つのサービスを展開しています。
これからは、音楽ストリーミングサービス、カラオケアプリ、ライブストリーミングサービスなどを行っています。
テンセント・ミュージック系のアプリは、中国の音楽アプリのシェア76.1%を抑えています。
8億人のMAU(Monthly Active Users・月間アクティブユーザー)で、有料会員が3億8千万人。200社を越える音楽レーベルとの契約しています。
Spotifyとの関係
2017年に親会社のテンセントがSpotifyと株式交換を行い、テンセントはSpotifyの7.5%を保有しています。
一方、Spotifyはテンセントの9.1%を保有しています。またテンセント・ミュージックがSpotifyの2.5%を保有しています。
テンセント・ミュージックは中国国内市場、Spotifyは中国以外の市場で運営しているので、お互いに競合することはなく、提携することで多くの楽曲を配信出来ます。
SpotifyのMAUは1億7000万人、有料会員が7500万人ですが、Spotifyは利益は未だ出していません。
この記事は、テンセント・ミュージック・エンターテイメントIRサイトを参考に書きました。