初心者向け株式投資入門 -15分で理解する超簡単な解説-
この記事はの株式投資を始める人が何を勉強すれば良いかをまとめた記事です。
株式投資の未経験の友達から、
「株を何処で買えば良いの?」
「中国の株は日本人でも買えるの?」
「なぜフランスの会社が香港に上場しているの?」
等いろんな質問を頂きます。
色んなサイトに株の情報は沢山あるのですが、内容が難しいのもが多く、初心者には分かりにくいと思います。
株式投資について、初心者向けに15分間で読めるようにまとめました。
これから株を始める方、株はやっているが株の事がいまいち理解出来てないという方は、まずこの記事を読んでから、下記の順番に勉強してみてください。
- この記事を読む
- 証券会社で口座開設をする
- 株の本を読む
- 株や経済の情報サイトを見る
- 株を小額買ってみる
また証券口座を何処で作れば良いか、株式投資を始める前に読んでおいた方が良い本、株式の情報を収集する為のサイトも掲載しています。
- 株式とは何か?
- 株式投資から得られる2つの利益
- 色々ある株式投資の手法 初心者へのおススメは?
- 世界の株式市場について
- どの証券会社で口座開設をすれば良いか?
- 株式用語の解説
- 投資に役立つ本
- 株式投資の情報収集に役立つサイト
- 最後に
株式とは何か?
株式会社の始まりは17世紀のオランダの東インド会社と言われています。
当時はヨーロッパの国々がアフリカ、アジア、アメリカへ進出し、それらの国々を植民地にしていました。
植民地から奪った品物を船でヨーロッパに持ち帰っていました。
船を作って、人を雇って植民地まで航海をさせるのですが、それには多くの資金が必要で、一人で全てのお金は出せません。
もし船が長い航海の途中で沈没すれば全てを失ってしまいます。
一人で全ての資金を準備し、全てのリスクを負うにはあまりにも大変です。
そこで作られたシステムが、多くの人から資金を集め、その資金で船を作って、人を雇って航海に出て、植民地から品物を持ち帰ります。
持ち帰った品物を換金した後、残った利益を出資者で、出資額に応じて分配します。
このようなシステムが株式です。
株を買うと言う事は、出資者になり、その企業のオーナーになると言う事です。
以前は株を買うと株券が証明書として発行されました。
現在は電子化されているので、証券会社の口座に自分の持株のデータが保管されています。
オーナーになれば、会社の経営方針を決める株主総会で会社の経営に意見を言う権利があります。
ただ民主主義の選挙の様に株主全員が平等ではなく、株数を多く持っている人が大きな権利を持ちます。
極端な話ですと、トヨタ自動車の株の51%を買えば、株主総会で自分を社長に任命できます。
一旦オーナーになれば、そのオーナーの権利を他の人に売ることが出来ます。
これが株の売買です。
上場企業の株は、その企業が上場している株式市場で売ることが出来ます。
株の価格は買いたい人と売りたい人のバランスで決まります。
株式投資から得られる2つの利益
株で儲けると言っても、株からの利益は2種類の利益があります。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、株の値上がりで得た利益の事を言います。
ソフトバンクの株を1万円で買って、1万1千円で売れば、1千円のキャピタルゲインです。
インカムゲイン
インカムゲインとは、株式の配当から得た利益のことを言います。
日本株の場合、株主優待で企業の商品が貰える事がありますが、株主優待もインカムゲインです。
色々ある株式投資の手法 初心者へのおススメは?
デイトレード
500円の株を買って1分後に501円になれば直ぐ売ると言うような短期取引をデイトレードと言います。
ギャンブルと割り切って売買をします。
配当を得ることはしない投資です。
おススメ度:初心者にはおススメしません。
成長株投資(グロース株投資)
グーグルやフェイスブックと言ったIT株のような急成長している株に投資する投資手法を成長株投資・グロース株投資と言います。
どの企業が伸びていると言う情報がれば、初心者でも儲けることが比較的容易です。
おススメ度:☆☆☆☆
長期割安銘柄投資(ファンダメンタル・バリュー投資)
現在株価が本来の企業価値より割安になっていると思う企業の株を買って、後に株価が本来の価値に戻って上昇した際に売却して利益を得る手法をファンダメンタル投資若しくはバリュー投資と言います。
ただ、安く株を買っても、いつ本来の価値に戻るか分からないのが難点です。
また自分が計算した本来の価値が合っているのかをどうやって確かめるのかを考えないとなりません。
おススメ度:☆☆
高配当株投資狙い(インカムゲイン)
配当が高い企業の株を買って、長く株を持ち続けて、配当で利益を得る方法をインカムゲイン投資と言います。
米国株には高い配当を出す企業が多くあります。しかも配当金を毎年増やしてる企業があります。
初心者には配当狙いの投資手法がおススメです。
おススメ度:☆☆☆☆☆
ETF
日経平均株価のような平均株価へ投資する方法をETF投資と言います。
おススメ度:☆☆☆☆☆
ETFの仕組を説明すると長くなるので、ここには書きませんが、ご興味ある方は下記の記事をご覧下さい。
投資信託(ファンド)はどれが良いか、やっぱりETF? - M Blog ゆうの株式投資物語 中国株 米国株 ETF
投資信託(ファンド)
自分で企業の株を選んで買わずに、専門家にお金を預け、専門家が株を買って運用して貰う方法を投資信託(ファンド)投資と言います。
専門家や販売会社だけ儲かって投資家は損することが非常に多いです。
おススメ度:おススメしません。
世界の株式市場について
株と言うと日本株をイメージする方が多いと思いますが、世界中から見ると日本株はほんの一部です。
世界45か国の2019年1月の株式市場の大きさ(時価総額)を見ると次の様になっています。
1位:アメリカ:53.6%(23.6兆ドル)
2位:日本:8.2%(3.6兆ドル)
3位:英国:5.5%(2.4兆ドル)
4位:中国:3.5%(1.5兆ドル)
5位:フランス:3.2%(1.4兆ドル)
6位:カナダ:2.8%(1.2兆ドル)
7位:ドイツ:2.7%(1.2兆ドル)
8位:スイス:2.6%(1.2兆ドル)
9位:オーストラリア:2.2%(9,830億ドル)
10位:韓国:1.6%(7,085億ドル)
上記のランキングは世界時価総額10位までを記載していますが、11位以下も色んな国の株式市場があります。
全世界の株引市場の時価総額合計は約 44.1兆ドルになります。
世界の時価総額を見て気がつくのは、アメリカだけで、世界の時価総額のだいたい半分を占めています。
また注意して頂きたい事があります。アメリカ合衆国の株式市場と言っても、単純にアメリカの企業がアメリカの株式市場に上場されている訳ではありません。
例えば、時価総額が世界で7番目に大きなアリババ(時価総額4,330億ドル)は中国企業ですが、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場しています。
フランスの化粧品会社ロクシタンやイタリアのプラダは、香港証券取引所に上場しています。
日本でパチンコ屋を運営するダイナムジャパンも香港証券取引所に上場しています。
日本の企業だから、日本に上場、フランスの企業だからフランスに上場と言うように単純にその国の株式市場に上場している訳ではありません。
幾つかの市場に複数同時上場している会社もあります。
中国企業の場合、中国本土の上海証券取引所、深セン証券取引所に上場しながら、香港にも同時上場していることが多く有ります。
中国株について解説した記事がありますので、ご興味のある方はこちらをご覧下さい。
他にも新興国(発展途上国)の株式市場もあり、発展途上の時に株を安く買っておいて、発展後に大きく儲けると言うような手法もあります。
でも途上国の投資で儲けるには時間も掛かりますし、正確な情報を得るのが難しいです。
初心者にはおススメ出来ないと思います。
おススメはアメリカ株
上記は約32年間の日本の日経平均株価とアメリカのS&P500の株価の推移です。
日経平均は1989年のバブルの頂点から30年を経過しても株価は上がっていません。
一方アメリカはこの30年間で大きく上昇しています。
初心者が株式投資をするなら、米国株をお勧めします。
どうしても日本株に投資したいと言うなら日本株を買ってみても良いと思います。
私の知っている株の初心者で日本株を買っている人は、ことごとく損失を出していると聞いています。
日本のように成長が殆ど無い国の株で儲けるのは、相当難しいと思います。
米国株の良いことばかりを書きましたが、外国株で一つ注意しなければならないのが、為替です。外国株は外貨で取引しますので、株で利益を出しても、為替で損をする場合があります。
どの証券会社で口座開設をすれば良いか?
証券会社は何処が良いかと言う事も良く聞かれますが、大手のネット証券会社であれば何処でも良いと思います。
手数料の違いが有りますが、物凄い大きな額を買わない限り、手数料の差はそんなに大きくないと思います。
聞いたことの無いような小さな証券会社だけは使わないほうが良いと思います。
ネット取引ではなく、対面取引と言う証券会社の営業の人に電話で注文する方法もありますが、手数料が高いことと、初心者で額が小さい場合には相手にされないので、おススメしません。
また、証券会社が売りたい株を勧められた場合、断るのも煩わしいと思うので、初心者は対面取引をしない方が良いと思います。
私は楽天証券を使って、非常に使いやすいと思いますので、楽天証券をおススメします。
楽天証券で取引が出来る株式は、日本株、中国株(香港株)、米国株、シンガポール株、タイ株、マレーシア株、インドネシア株ETF、不動産REITなどです。これだけあれば十分です。
再度言いますが、証券会社はネット取引が出来れば、何処でも良いと思います。
株式用語の解説
ここでは基本的な株式用語の解説を致します。
用語は全て覚える必要はなく、分からなければGoogleで検索して頂ければ問題ありません。
〇コード・ティッカーコード
株式市場では良く似た会社名があります。
株を買う際には、会社を間違えないように会社毎のコードを確認しましょう。
例えば、東京証券取引所には、子会社で通信事業をしているソフトバンク(コード9434)と親会社で投資会社のソフトバンクグループ(コード9984)と言うように社名が似ている会社が上場しています。
コードを確認すれば間違いないと思います。
米国株のコードは数字ではなく、ティッカーコードと言って、アルファベッドになっています。
フェイスブックはFB、アマゾンはAMZNです。
企業名に似ているので覚えやすいですね。
〇発行株式数
会社が発行している株の総数です。会社によって発行株数が違います。
〇時価総額
時価総額は株式市場で評価されている企業の価値です。
1株2,000円で、発行株式数が1億株の会社の時価総額は、2,000円X1億株=2,000億円になります。
〇売買単位
日本株や香港株は1株だけ買おうと思っても買えません。
売買単位と言うものがあり、会社(銘柄)によって1株、100株、1000株などの単位でしか取引出来ないようになっています。
500円の株で、売買単位が100株の株の場合、株価500円X100株=50,000円の資金が必要になります。
もし資金が7万円持っていても、5万円分しか買えず、残り2万円でその株は買えません。
米国株は売買単位がありませんので、1株でも買えます。
〇一株当たりの利益(EPS)
EPSとはEarnings Per Shareの略です。
1株あたりの利益額を表します。
年間の純利益が500億円で発行株式数が1億株の会社の場合、EPSは500億円÷1億株=500円になります。
〇株価収益率(PER)
株価収益率はPERと良く呼ばれます。PERはPrice Earnings Ratioの略です。
PERは株価と1株あたりの利益(EPS)を比較して、どれだけ株価が高いかを示す指標です。
株価が1,000円で1株あたりの利益(EPS)が100円の会社の場合、
PERは株価1,000円÷一株あたりの利益(EPS)100円=10倍になります。
株価が10,000円で1株あたりの利益(EPS)が100円の会社の場合、
PERは株価1,000円÷一株あたりの利益(EPS)100円=100倍になります。
あなたなら、PERが10倍と100倍の会社のどちらの株を買いますか?
〇値幅制限
値幅制限とは、株価の急激な上昇・下落を防ぐために、株価が1日に動く範囲を制限しているものです。各市場や株価によって値幅制限は違います。
上限いっぱいまで買われた状態をストップ高、下限いっぱいまで売られた状態をストップ安と言います。
日本やベトナムの株式市場には値幅制限があります。よって1万円の株価が1日で10円まで下がることは有りません。
香港や米国市場は値幅制限がありません。
〇1株当たりの配当(DPS)
1株あたりの配当はDPSと言います。
DPSはDividend Per Shareの略です。
これは企業の1株あたりの配当額を表します。
DPSが30円で1,000株の株を保有していた場合、配当金はDPS30円X1,000株=30,000円となります。
〇配当利回り
株価に対する配当金の比率を表します。
1株あたりの配当(DPS)が30円で株価が1,000円の場合、配当利回りはDPS30円÷株価1,000=約3.3%となります。
3.3%は定期貯金の金利よりかなり良いですね。
〇キャピタルゲイン
上記に書いた通り、株の売買で得た利益です。
〇インカムゲイン
上記に書いたとおり、株の配当金で得た利益です。
〇空売り
空売りは株価が下がると思った銘柄があれば、証券会社から株を借りて、借りた株を売って、株価が下がったところで、株を買い戻してその差額を得る投資手法です。
初心者は空売りをしなくて良いと思います。
理由は株価が予想に反して上がった場合、上がる上限は無い為に、損失がどこまで膨らむか分からないと言い点です。
〇信用取引
信用取引は資金が無くても、証券会社から借金をして株に投資する取引を言います。
これも初心者はしない方が良いと思います。
〇株主総会
ざっくり言うと株主総会は株主が集まって会社の方針を決める会議のことを言います。
勉強の為に株主総会に参加してみても面白いと思います。
〇決算・四半期決算
企業は四半期(3ヶ月)ごとに企業の成績を発表します。
その際に損益計算書(P/L)、貸借対処表(B/S)、キャッシュフロー(C/S)を公開します。
これらの財務諸表は各企業の公式サイトで誰でも見ることが出来ます。
この決算内容によって株価が大きく動くことがあります。
投資家は常に決算内容に注目しています。
投資に役立つ本
株式投資を始める上で、一番大切だと思うことは、まともな株式投資の本を読む事です。
まずは基本を勉強することです。
これは読んだほうが良いと思う本をご紹介します。
〇なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
藤沢数希(著)
理解のしやすさ:☆☆☆☆☆
投資全般を勉強出来ます。
もし株の本を1冊だけ読むとすれば、この本を読んでください。
なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
- 作者: 藤沢数希
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: 単行本
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〇MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法
広瀬隆雄(著)
理解のしやすさ:☆☆☆
米国株投資についての勉強が出来ます。
〇お金は寝かせて増やしなさい
水瀬ケンイチ (著)
理解のしやすさ:☆☆☆☆☆
ETF投資について勉強出来ます。
〇バカでも稼げる 「米国株」高配当投資
バフェット太郎 (著)
理解のしやすさ:☆☆☆☆☆
高配当投資について勉強出来ます。
〇ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン・マルキール (著) 井手正介 (翻訳)
理解のしやすさ:☆☆☆
読書好きの人でないと読み切れないかも、それにちょっと難しいかもしれませんが、おススメ!
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
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〇株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
ジェレミー・シーゲル (著) 瑞穂のりこ (著)
理解のしやすさ:☆☆☆☆
これも絶対おススメ!
- 作者: ジェレミー・シーゲル,瑞穂のりこ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: 単行本
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〇敗者のゲーム
チャールズ・エリス (著), 鹿毛雄二 (翻訳)
理解のしやすさ:☆☆☆
〇1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術
DUKE (著)
理解のしやすさ:☆☆☆
日本人のDUKEさんが具体的な投資方法を書いています。
株式投資の情報収集に役立つサイト
株式投資の情報は下記のサイトから得ることが出来ます。
Yahoo! JAPANファイナンス(日本語)
https://finance.yahoo.co.jp/
日本株の情報を見るのに便利です。
Yahoo! ファイナンス(英語)
https://finance.yahoo.com/
米国株だけでなく、香港株などの世界の株式、金融、経済情報があります。
ブルームバーグ(日本語)
https://www.bloomberg.co.jp/
金融経済の情報サイト
ブルームバーグ(英語)
https://www.bloomberg.com/
金融経済の情報サイト
ロイター(日本語)
金融経済サイト
https://jp.reuters.com/
ロイター(英語)
米国株と世界金融経済の情報サイト
AA STOCKS(英語・中国語)
香港株の情報サイト
米国株決算マン(ツイッター)
米国株の四半期ごとの決算情報をツイッターでつぶやいてくれます。
ツイッターの情報は早いので良いですね。
伊藤洋一のRound Up World Now! ラジオNIKKEI
http://www.radionikkei.jp/roundup/
世界の政治経済の情報番組です。
毎週金曜日に約30分のポッドキャストラジオにアップされます。私は毎週聴いています。
最後に
株を理解するには下記の順におこなって下さい。
- この記事を読む
- 証券会社で口座開設をする
- 株の本を読む
- 株や経済の情報サイトを見る
- 株を小額買ってみる(大きな額は投資しない、投資信託は買わない事)
みなさん株を楽しみながら実践してみて下さい。
勉強と実際に買ってみるのは、気持ちが全然違います。
自分で株を保有してみると、経済や金融に敏感になり、本気で取り組むようになると思います。
もっと良い説明がある、良い情報があると気がついたら、この記事をその都度修正していきます。
もしここが分かりにくい、この説明はこうした方が良いと言う意見が御座いましたら、コメント欄に書いて頂くか、ツイッターで連絡いただければ幸いです。