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ソフトバンク・グループ2019年3月期決算内容

ソフトバンク・グループは昨日6千億円の自社株買いを発表。

 

本日株価が約17%も上昇しています。

 

時価総額9兆円の企業が1日で17%も上がるとは凄いことです。

 

ソフトバンク・グループの2019年3月期決算(第3四半期)の決算が昨日発表されました。孫社長のプレゼン動画を見てみました。

 

今回の発表で次の4項目が重要で印象に残りました。

  1. NVIDIA株はリターンが4.5倍、Flipkartは1.6倍、売却で合計2,200億円を得た。
  2. ソフトバンクGの企業価値は計算上21兆円、株価は20,121円になる。
  3.  6,000億円を上限で自社株7,129万株を買う予定。
  4. AIは人類史上最大の革命を起こし、全ての産業を再定義する。

 

孫社長のプレゼンはとにかくシンプルな説明でわかり易いです。

プレゼン資料も綺麗な図やグラフが多用されています。

 

孫社長の話に聞き入ってしまいました。

 

内容と感想を下記の通りまとめました。

決算内容

 2018年Q1-Q3までの累計

売上高:7兆1,685億円(+5%)

営業利益:1兆8,590億円(+62%)

純利益:5,235億円(+52%)

 

営業利益が62%も伸びたのは、約1半前から始まったソフトバンク・ビジョンファンドからの収益が大きく伸びたためです。

 

ソフトバンク・ビジョンファンドが5%を出資していたNVIDIA株はリターンが4.5倍、他にFlipkartは1.6倍なっており、株式の売却でソフトバンクはこの9ヶ月で合計2,200億円の分配金を得ています。

ビジョンファンドは現在71社に投資し、約10兆円の資本構成になっています。殆どがAI関連のユニコーン企業です。

 

このビジョンファンドのパートナーは出資の意思決定には関与せず、資金だけを出しているとの事です。

 

ソフトバンクの企業価値

孫社長がソフトバンク・グループは、もはや通信事業会社ではなく、純粋持株会社になったと言いました。

 

これは通信のソフトバンクが昨年上場し、ソフトバンク・グループの本体のコア事業ではなくなったからです。

 

今回からの決算発表では財務諸表もバランスシートも意味が無い。

 

ソフトバンク・グループの企業価値は、株主価値から負債(借り入れ)を差し引いたものである。

 

ソフトバンクGの企業価値21兆円=株主価値25兆円-純有利子負債4兆円

 

ソフトバンク・グループの株主価値とはアリババ12兆円、arm2.7兆円、通信のソフトバンク4.2兆円、スプリント2.6兆円、ビジョンファンド2.7兆円などの株式の価値です。

 

複雑怪奇ではなく、シンプルに理解して欲しいと語っています。

 

上記の通り、2019年2月6日時点でのソフトバンクGの企業価値(純株主価値)は21兆円ですが、株式市場での時価総額は9兆円です。

 

昨日の終値8,462円で時価総額が9兆円ですが、時価総額21兆円なら、株価は20,121円になります。

 

自社株買いの予定

孫社長は6,000億円を上限で自社株7,129万株を買う予定のようです。

取得期間は2019年2月7日から2020年1月31日。

 

買った株は消却予定で、これは既存株主にとっては1株あたりの価値が上がることになります。

 

この財源は通信会社ソフトバンクをIPOさせて得た資金2兆円の3分の1を使うとの事です。

 

他にこの2兆円の中から7千億円は返済に使い、他の7千億円は今後の投資に使用するようです。

 

通信会社ソフトバンクをIPOの1,500円で買って損をした投資家はどう思うんでしょうか? 

 

今後の投資について

今後の投資の部分では、バークシャーハサウェーのバフェット氏について、フリーキャッシュフロー型の投資家として尊敬していると言っています。

 

もう一つはコンピューターを使ったアルゴリズム型の投資はシンプルで早いと言及しています。

 

上記どちらも素晴らしい投資で成功しているが、ソフトバンクはビジョンを中心に投資をすると言っています。

 

ソフトバンク・グループのビジョン

ソフトバンクはパラダイムシフトと共に進化している。

 

PCからインターネット、ブロードバンド、スマホと10年に一度くらいの単位でパラダイムシフトが起こっている。

 

今後AI革命は一番大きな情報革命のパラダイムシフトである。

 

馬車から自動車に変わったように、今後20年から30年で、人が運転する車から自動運転の車に変わる。

 

ビジョンで10年後、20年後、30年後を見るには多少の誤差はノイズであり、ノイズを気にしていたのでは先を見ることが出来ない。

 

30年後、CPU/GPU、メモリ容量、通信速度も今の100万倍になる。

 

もう限界だというのはその人の頭が限界であり、実際の限界ではない。

 

AIは人類史上最大の革命になる。

AIは全ての産業を再定義する。

 

ソフトバンクGはAI群戦略を取っていく。

AI群戦略は入り口で片っ端からAIに関する企業に投資して行く。

 

孫社長は情報革命で人々に幸せになって欲しい。

 

私見

ソフトバンク・グループの決算発表動画を見るたびに、孫社長の先見の目とビジョンは素晴らしいと思います。

 

ただ気になるのは、通信会社ソフトバンクのIPOでの失敗で、IPOに申し込んだ投資家に損をさせたことです。

 

よく分からず買ってしまった投資家に責任はありますが、通信会社には今後企業価値を上げて、株価を押し上げていって欲しいですね。

 

孫社長は最後の記者質問コーナーで、ソフトバンクGの企業価値は21兆円なのに、株式市場での時価総額は9兆円である理由は、時差であると言いました。

 

これを本当を思って買えばいずれ株価は2倍以上になります。

 

ただ、いつ2倍以上になるかは誰にも分かりません。

 

あなたは孫社長のビジョンに共感してソフトバンクGに投資されますか?

 

ソフトバンクグループ決算では説明会動画はこちらからご覧頂けます。

https://webcast.softbank.jp/ja/detail/video/ref:20190206_01_ja