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中国電子書籍の最大手の閲文集団(China Literature 772HK)の株価予測-テンセント傘下の香港上場企業の銘柄分析-

中国電子書籍の最大手の閲文集団(China Literature 0772HK)はテンセントの傘下で2003年にテンセントの電子書籍事業からスピンオフし、2007年11月8日に香港市場へ上場しました。

 

香港市場へIPOの際には、株式市場の活況もあり、応募倍率が622倍、5,200億香港ドル(約7兆円)を調達し、大きな話題になりました。

 

その後株価は大きく下げ続けていましたが、最近になって反転の様子を見せています。

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*チャートはAA STOCKSより引用
 

 

 

閲文集団とはどんな企業なのか?

 

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閲文集団は、中国のネット書籍の市場の50%以上のシェアを持っています。

 

2018年6月末の時点で730万人の作家を抱え、1,070万点のオンラインの作品を保有しています。

 

そのうち約1,020万点が閲文集団のオリジナル作品です。

 

34万作品がサードパーティーから提供されています。

 

作品のジャンルは様々で、軍事、スポーツ、アニメなどがあります。

 

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2018年の上半期、中国検索サイト大手の百度のオンライン文学作品のトップ20作品のうち、16作品が閲文集団のプラットフォームのものでした。 

 

2018年上半期のアクティブユーザーは2億1,350万人でした。

 

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強みとしては、スマホメーカーのOppo,、Huawei 、Vivoの端末には閲文集団のアプリがプレインストールされています。

 

閲文集団の株主であるテンセントのモバイルQQ(チャットアプリ)、QQブラウザ、テンセントニュース、WeChatリーディング(チャットアプリ)、テンセントビデオが独占的に閲文集団へコンテンツを供給しています。

 

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このメリットは、人気の映画やドラマ作品の小説をコンテンツとして配信できると言う事です。

 

また、閲文集団は検索サイトの百度、Sogou,、JD.com、小米 Duoka等のサードパーティーへライセンス契約をしています。

 

中国のエンタメと電子書籍市場規模

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 *上記資料はIRサイトを参考に著者が作成しました。

 

中国のエンターテイメントの市場規模は増え続けています。

 

テレビ、ネット、アニメの分野は2016年から2020年には2倍以上の市場規模となるようです。(閲文集団のIRサイトのデータより引用)

 

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  *上記資料はIRサイトを参考に著者が作成しました。

 

また、オンライン文学(電子書籍)の市場規模も2013年は15億元、2016年が46億元、2020年には134億元になると予想されています。(閲文集団のIRサイトのデータより引用)

 

単純に電子書籍が伸びるだけでなく、ゲーム、アニメ、映画などの作品が電子書籍化されることで相乗効果があると考えられます。

 

 

閲文集団の2017年の売上実績

 

2017年の売上高は40億9500元(約667億)、2016年の26億元(約430億円)より約60%増加しています。

 

営業利益率は1.3%から12.5%と、営業利益率が劇的に増えています。

 

 

2017年度の事業別の売上:

 

電子書籍の売上が前年同期比73.3%増、34億2060万元(約533億円)

版権事業の売上は前年同期比48%増、3億6620万元(約60億)

 

2018年はどうだったか?

 

2018年上半期の売上は22億8千万元(前年同期比18.6%増)、営業利益は5億6千億元(前年同期比142%増)、純利益は50億元(前年同期比138%増)です。

 

2018年の通期決算はもう直ぐ出ると思いますが、上半期と同じ調子で下半期も数字が伸びると、純利益が2倍以上になると考えられます。

 

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閲文集団の株価予測

 

2019年2月14日の株価は42.85香港ドルで、PERが36.88倍(2017年のEPSが1.17香港ドル)です。

 

ロイターの予測では、2019年末のEPSは1.18-1.82香港ドル。

 

うーん、EPSの幅が広いですね。

 

しかしながら、2018年の上半期の純利益は前年同期比138%増ですから、この調子で行くと2018年通期のEPSは2017年EPS1.17香港ドルの2倍の2.34香港ドルになると思います。

 

楽観的

2.34香港ドル X PER30倍 = 約70香港ドル

 

 

普通

2.34香港ドル X PER25倍 = 約58香港ドル

 

悲観的

2.34香港ドル X PER20倍 = 約46香港ドル

 

結論

今年の閲文集団の株価は46香港ドルから70香港ドルの間で推移するかも知れないと考えます。

 

チャンスを見て買うかもです。

 

でもテンセント・ミュージック・エンターテイメント(TME)もですが、スピンのオフ上場し企業は株価の値動きが激しくて、買うタイミングが難しいですね。

  

今回の記事のデータや一部の画像は閲文集団の公式サイトより得た情報を基に作成しました。 https://www.yuewen.com/#©right