おススメの金融小説 東京ゴールドラッシュ
私が今まで読んだ金融小説の中でベスト5に入る本の1冊をご紹介します。
と言う株式トレードの小説です。
もの凄くスリリングな株のトレードの話です。
あまりにも面白いので、日本語でも読みましたし、英語でも読みました。
この話は日本に駐在していたアメリカ人が体験したノンフィクション小説です。
田舎育ちで裕福でないマルコムはアメフトの奨学金でプリンストン大学を卒業し、ウォール街を目指すが就職試験に全て失敗する。
以前、日本の大学とアメフト親善試合の際に東京に行った時に偶然バーであったアメリカ人トレーダーに就職の事について相談の手紙を書いた。
そのアメリカ人から日本に来てト レーダーをしないかと誘われ、直ぐに日本行を決めた。
しかし、マルコムの勤務地は東京ではなく、大阪であった。
しかも誘ってくれたマルコムのボスは東京に居て、東京からホッ トラインを通じてトレードの売買指示をする。
マルコムの仕事はスピーカーからの指示に従ってキーボードを叩くだけのトレーダーである。
幸運にもトレー ダーの職を得たその会社(キダー証券)の敏腕ファンドマネージャーが数カ月内に大損失を出して職を失う。
その後、英国系の投資銀行ベアリングス銀行の大阪事務所で再びトレーダーの職を得る。
この銀行で伝説のファンドマネージャーと言われているシンガポール在住のニックリーソンから指示を受け、マルコムはキーボードを叩く。
しかし阪神淡路大震災をきっかけに、ニックリーソンのイカサマ・トレードでベアリングズが10億ドルの損失を出し、会社が倒産しマルコムは再び無職になる。
ニックリーソンはこの不正をして損失を出した事で逮捕されます。
ニックリーソンは逮捕までの話を私がベアリングズ銀行をつぶしたと言う本に書いています。この本もなかなかお勧めです。
就職する会社が次々に倒産したマルコムは、その後日本でトレーダーの経験を積んみ、香港株のハンセン指数に関するトレードで最終的に大きなチャンスを自らつかむ事になります。
この物語はマルコムが大金を動かす話ですが、同時に在日の米国人として日本の文化、セックス産業、裏社会など深く知り、アメリカ人から見た日本を面白おかしく描いています。
エリートで金持ちの欧米人の日本での生活は、普通に暮らす日本人では知る事の出来ない世界だと思います。
英語の原題は”Ugly Americans: The True Story of the Ivy League Cowboy Who Raided Asia in Search of the American Dream”です。
日本語に訳すと”強欲な奴ら、アイビーリーグ卒の青年がアメリカンドリームを求めてアジア市場を攻撃した真実の物語”と思います。
原題を単に日本語に翻訳するだけですと、日本人に内容が伝わりにくいですね。
よって日本語の題名は東京ゴールドラッシュにしたのかなと思います。
この本の著者はベン・メズリックです。
彼の作品は映画化されたものが幾つかあり、有名なものでは、フェイスブックの創業者の物語 ”ザ ソーシャルネットワーク(原題:The Accidental Billionaires)”や”MITの学生がギャンブルで大勝ちする”ラス・ヴェガスをブッつぶせ!
(原題:Busting Vegas: The MIT Whiz Kid Who Brought the Casinos to Their Knees
)です。
彼の作品はどれも大金が動いてスリリングは話です。