実験思考 世の中、すべては実験 光本 勇介 (著)
私のスマホのKindleアプリを見てみると、買った覚えのない本がダウンロードされていました。
アマゾンのサイトで間違ってクリックしたのかなと思いました。
せっかくなので、移動中に読んでみました。1時間ほどで読破できる本です。
読み進めて分かったことが、私がこの本を間違って買ったのではありませんでした。
この本はまず無料で配って、読者が読んだ後に、読んだ対価として任意の金額を支払うと言う企画のようです。
この本の編集者は、ホリエモンの本の編集などを行った幻冬舎の箕輪厚介氏です。
この本の著者は、ブログの様に簡単にECサイトを作成出来るサービスを作って、その会社をスタートツデー(ZOZOタウンの運営会社)に売却しました。
その後CASHと言う質屋(中古品買取サービス)のようなサービスを行う、BANKと言う会社を運営しています。
CASHは一度70億円でDMM社に売却しましたが、買い戻しています。
CASHは担保となる物を、スマホで写真を撮るだけで直ぐにお金が振り込まれて、期日までに金利を上乗せた額を返すか、返すお金がなければ担保を送ると言うシステムです。
担保となる物の評価は通常の中古市場の約3分の一位に設定するので、貸したお金が回収出来ずに担保を回収して、担保を売れば儲かります。
また、約束通りに返済も担保も出さない人が居た場合に、多少の取りっぱぐれがあっても、トータルで儲かるようです。
性善説を前提にしたサービスです。
著者は他にも、お金が無くても旅行に行く事が出来る、後払いのトラベルサービスなども運営しています。
旅費は後払いですが、通常の相場より20%高いそうです。
他に先にお金を借りて、お金を返済出来なければ、日雇いのバイトをすると言う、前払い日雇いバイトアプリなどの案を考えたりしています。
この著者(社長)のアイデアや、実際に運営するシェアエコノミーや金融サービスは、著者の実験思考から生み出せれていると言っています。
自分で考えたアイデアを試して、成功するか見てみたいという意味です。
アイデアはどれも面白いですが、これらのサービスの相手にしている顧客層は、金融リテラシーが低い人たちだと思います。
そもそもお金がないのに、ディズニーランドに行きたいから、持っているブランド物のバッグを一般の中古市場の三分の一の価格で売却したり、お金が無いのに旅行へ行って、通常の旅行より20%も高く支払うと言うのは、お金に関する知識が無いか、忍耐力がない人達だと思います。
ZOZOタウンもツケ払いと言う、後払いのサービスをしています。
この本の最後にお金は使えば使うほど増えると言うような事が書かれています。ZOZOタウンの社長も同じような事を言っていました。
彼らの言うお金を使う事と、お金がないのに服を買ったり、旅行に行く事とは、全く違うと思います。
頭の良い彼らのポジショントークに乗せられるようでは、ダメだと思います。
シェアエコノミーや不要な物を売ると言うようなアイデアとしては非常に素晴らしいと思います。
しかも実際にこのような事業を運営してみると言う事は、とてつもない実行力と勇気が有ると思いました。
特に自転車のシェアの様に性善説で行うサービスは、大変ですが、社会の考え方を変えていくと思いました。
*新幹線の車内販売って1往復で7-8万円、1日あたりでコンビニ1店舗程の売り上げがあるのですね。
欲しくもないのに勝手にKindleに入れられた本ですが、面白くて、楽しんで読んでしまったので、幾らか払うしかないですね。(著者の作戦に嵌まってしまいました)
こちらの特設サイトでこの本に支払われた額がリアルタイムで見ることができます。