中国語の勉強方法 新HSKの学習方法
全く中国語の基礎が無い人が、中国語をある程度日常生活や仕事で使えるようになって、中国語の試験 新HSKを取得する方法を書きたいと思います。
流れとしては、ピンイン→文法→HSK→実践的な学習になります。
私が中国語の基礎を勉強し、新HSK5級に合格した経験から、学校に通う時間を少なくし、費用を出来るだけかけずに、効率の良い独自の勉強方法です。
このHSKを重視した中国語の勉強方法は、けっして非常に中国語会話が上手になる訳ではありませんが、効率的に基礎を習得すると言う意味では良いと考えています。
なぜなら、HSKの試験では、リスニング、リーディング、ライティングを幅広くカバーしているからです。
中国語の基礎を勉強する
中国語の基礎を勉強するためには、発音と文法を勉強することが大切と思います。
中国語学校に通ってピンインと四声を覚える。
ピンインは中国語の発音記号で、中国語を勉強する前に、このピンインと四声を勉強しなければなりません。
中国語は日本語より発音数が多く、全く違う音を聞いたり、発音したりできるようにならなければなりません。
私は英語の場合、ある程度の発音は諦めても通じますが、中国語は発音が出来ないと全く通じません。
また間違った発音で勉強を続けると、勉強したことが無駄になります。
発音の勉強は一人では出来ないので、中国人の先生が居る学校に通うのが一番良い方法と思います。
中国語の文法を勉強する
中国語の文法の勉強には「基礎から発展まで よくわかる中国語文法」が良いと思います。
まずは一通り読んでみてください。
中国語の文法は、英語の文法と似ているように思うのですが、違います。
変に英語の文法と同じだと思い込むと余計に混乱します。
他にも「つながる中国語文法」も基礎を体系的に知るのに良いと思います。
中国語の試験 新HSKの勉強をする
ピンインと文法の勉強をしたら、HSKの試験勉強をすることをお勧めします。
新HSKとは?
新HSKとは、新汉语水平考试 模拟试题集の略で、日本語に翻訳すると新標準中国語試験のような感じです。
HSKは中国政府教育部の直属の機関で孔子学院总部が主催し、中国政府の認定資格です。
HSKは世界118か国で実施され、2018年には約3万4千人が受験しています。
”新”と頭に付いているのは、過去にHSKと言う試験があったからです。
HSK(旧)は、英語のTOEICのように全ての人が同じレベルの問題を受けて、点数によって、1から8級までランクが判断さてました。旧HSKは既に廃止されました。
新HSKは1級から6級まで級毎に問題が違い、リスニング、リーディング、ライティングと3セクションあり、60%以上正解すれば合格です。
HSKには会話の試験が無く、会話はHSK口頭試験と言う別の試験になっています。
留学生や企業の語学留学派遣では毎日半日程の授業を大学で1年程受けて、5級か6級を取得するようです。
新HSKのレベル
新HSKを受験するなら、3級程度の中国語力に達成するまで勉強をし、3級から受験することをお勧めします。
1級や2級はかなり初歩レベルなので、受験する意味が無いと思います。
6級
中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。5,000語以上
5級
中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができるレベル。
語数:2,500語程度
4級
中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができるレベル
語数:1,200語程度
3級
生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できるレベル
語数: 600語程度
2級
中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達しているレベル
語数:300語程度
1級
中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができるレベル
語数:150語程度
HSK日本サイト
HSK中国サイト
新HSKの模擬試験のおススメの本
この模擬試験の勉強は一番つまらなくて、物凄いストレスが溜まります。
問題を解いて、回答し、その後に答え合わせをすると1つの試験をするだけで、2時間半ほど時間がかかります。
それでもHSKの勉強をすれば、効率よく中国語を全般的に習得出来ます。
模擬試験を使った各セクションの勉強方法は後ほど書きます。
HSKの模擬試験を使った勉強には、北京言語大学出版社の「新汉语水平考试 模拟试题集」と言う模擬試験問題集がお勧めです。
1冊で、10回分の模擬試験があり、リスニングの音声CDも付いています。
ただし、この本は中国で出版されているものなので、答え合わせの際の解説は全て中国語で書かれています。
模擬試験は「新汉语水平考试 模拟试题集」がお勧めですが、解説が日本語で欲しいと言う場合は、「中国語検定 HSK公式 過去問集」が良いと思います。
新HSKの各セクションの勉強方法
ここではリスニング、リーディング、ライティングの各セクションの模擬試験を使った勉強方法を解説いたします。
第1セクションのリスニング
まずは模擬試験を1回やってみる。
答え合わせをしたあと、正解した問題も、間違った問題も、再度聞き直し、何を言ってるか聞き取れるようになるまで繰り返し聞く。
模擬試験の答えのページには全ての音声が文字化されていますので、文字を見ながら聞いても良いと思います。
音声はスマホに入れて、移動中やジムで運動中に繰り返し聞いても良いと思います。
第2セクションのリーディング
リーディングセクションは、単語力が重要です。
まずは問題を解いて、答え合わせをします。
答えが正解であっても、間違っていても、文の中にある知らない単語をノートに書きだして、自分の単語帳を作るのが良いと思います。
中国語を調べるには、電子辞書かスマホの辞書アプリを使うと効率よく調べることが出来ます。
中国語の単語を勉強するには、HSK公認の中国語単語の学習アプリが非常に良いと思います。各級毎の単語が文字、音声、例文を見ながら覚えることが出来ます。
第3セクションのライティング
ライティング(作文)のセクションは、指定される複数の単語を並び替えて文章を作り問題と、写真を見て、その写真に合う作文を書く問題があります。
作文の問題は、作文を書いても、自分一人ではその文章が文法的にあってるかどうかの確認が出来ません。
添削してくれる中国人が居ないと一人で勉強出来ません。
この部分は、学校に通って教えて貰うか、知り合いの中国人に見てもらうしかありません。
日本の漢字とは違い、中国の簡体字を覚えないといけなく、普段からペンで中国語の簡体字を書いてないと、テストの時に漢字が書けなくて困ることになります。
中国国内で新HSKを受験する場合、ペーパーテストではなく、コンピューターを選べばば、全てコンピューターで入力しますので、ライティング・セクションはピンインで入力することになります。
コンピューターでの受験の場合、簡体字を覚えてなくても良いのですが、正確なピンインを打つことが出来ないと漢字が出てきません。
ペーパーテストの手書きとコンピューターのタイプと、どちらが良いかは一長一短だと思います。
恐らく日本国内で新HSKを受験する場合は、ペーパー試験のみだと思います。
実践的な中国語の勉強方法
ここまで中国語の基礎であるピンイン、文法、新HSKの勉強の事を書きました。
ピンイン、文法、新HSKと並行して、若しくはこれらの勉強後には実践的な学習を、楽しみながら行うと良いと思います。
中国人と会話をする
ピンイン、文法、新HSKの勉強では、中国語を話す勉強は全くありませんでした。
せっかく中国語を勉強してるのですから、一人で本や模擬試験と格闘していても面白くありません。
中国人と中国語で会話をしてみて楽しみながら、学習をしましょう。
周りに中国人の友達が居ない場合は、語学学校やオンラインの中国語スクールが良いと思います。
普段同じ中国人と何度も会話をしていると、お互いの考えや会話の内容が推測出来るようになってきます。
そうなると自分の発音が間違っていても、相手は推測して理解出来るようになってきます。
また私たち日本人も相手の中国人の言う単語を聞き取れなくても、大体こんな事を言いたいのだろうと推測出来るようになります。
コミュニケーションなので、推測でも理解出来れば良いのですが、語学をきちんと習得すると言う意味では、推測だけで分かったつもりになるのは成長がありません。
色んな人と会話をして、色んな人の中国語を聞き取って、色んな人に通じるように正確な発音が出来るようになることが大切だと思います。
中国語のテレビ、映画、動画を見る
中国語のテレビ、映画、動画を時間がある時は出来るだけ聞いて、耳を中国語にならした方が良いと思います。
中国語のソーシャルサイトを使って中国人と交流する
Lang-8(外国語の相互学習サイト)
Lang-8は日本の会社が運営している、語学相互学習ソーシャルサイトです。
私たち日本人が英語や中国語で文章を書くと、ネイティブスピーカーの外国人が、その文章を添削してくれます。
また私たち日本人は、外国人が書いた日本語の文書を添削してあげます。
誰かの文章を添削するとポイントが貰えて、自分が文章を書いた時に添削がされやすくなります。
私はこのLang-8で上海在住のアメリカ人と友達になり、カフェでリアルでも合うようになり、お互いに日本語と英語を勉強しました。
彼は上海に住んでいたのですが、私と合うようになって、日本語に加え日本に興味を持つようになり、その後日本へ移住してしまいました。
QQ空間
QQ空間はフェイスブックのような中国のソーシャルサイトです。
オンライン上で中国人と友達になって中国語で交流が出来ます。
学習を継続する
中国語の学習方法は、ピンイン、文法、新HSKの勉強、中国人との交流と書いてきましたが、一通り出来るようになったら、後はこれを継続することが大切だと思います。
語学はスポーツと同じで、継続せずに途絶えてしまうと、能力が落ちてしまいます。
難しいことですが、継続することが一番大切です。
私の中国語との関わり
最後に私と中国語の関わりについて書きます。
私は大学の時に、第2外国語が中国語でした。
しかし当時は外国語には全く興味もなく、中国語を選択した理由は、中国語は漢字を使うので、他の語学よりは簡単だろうと思ったからです。
当時、自分は中国に一生行くことは無いと思ってました。
中国語の授業には最初の3、4回程度出席し、その後は全く出席せず、1年生で取るべき単位を落としました。
2年生で再度履修し、それも駄目で、3年生の時に日本人の先生より、中国人の先生の方が甘いので単位が取れると聞いて、中国人の先生の授業を取りました。
それで何とか単位を取得しました。
当然そんな状態なので、自分の名前すら何と発音するのか知りませんでした。
ニーハオ、シエシエくらいしか分かりませんでした。
社会人になって、中国を相手に貿易の仕事をするようになりました。
中国の田舎に出張に行くことが多かったのですが、中国では取引先の先の通訳に頼ったり、英語でやり取りをしていました。
また社内に中国人の同僚が居たので、中国への文章や電話は、全て中国人の同僚に通訳を頼んだりして、この時も中国語を覚える気が全然ありませんでした。
その後、2005年に上海に来ることが決まってから、このままではまずいと思って、日本で中国人の先生に少しピンインを教えてもらいました。
ただその時もやる気があまりなかったです。
上海に来てから中国語学校に何度か行こうと思って挑戦したのですが、毎回続かずに、授業料だけ支払って、登校拒否状態でした。
2012年になって、既に7年も上海に住んでいて全く話せないのは、恥ずかしいと思うようになり、勉強をしようと思いました。
中国語を勉強しようと、友達に相談したところ、 HSKを勉強をすれば基礎を覚えることが出来る。
また、学習の目標を持つことによってモチベーションを上げることが出来ると聞いて、新HSKを受験してみる気になりまし た。
上海の中国語学校に申し込みをして、先生と一対一で、ピンインと基礎を30時間勉強しました。
基礎を勉強した後、新HSKの4級、5級と受験し、何とか合格ラインの各セクション60点を取りました。
勉強したおかげで私生活や仕事が非常にやり易くなりました。
自分の考えを自分で直接伝える事が出来るようになったことは非常に便利です。
それまでは何か有るたびに、全て通訳を通して話をしていました。
自分で直接話すと、相手に話がきちんと伝わります。
今後も少しずつ勉強を継続していきたいと思います。
普通の人が頑張れば1年で出来る事を、私が中国に来て7年経って、やっとやる気になって、勉強を始めました。
私は英語も全然出来ない状態から勉強した経験があります。
効率的な英語の勉強についての記事はこちらをご覧ください。